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Anime Toolboxのあそびかた 第3回:カットイン

みなさん、Anime Toolbox、ゴリゴリ使ってますか?
筆者は、Anime Toolboxの中の、とりわけVisual Compositorが大好きで、いろんな表現の可能性を探っています。

今回はちょっと小粒のネタ。
カットインについてやってみます。

カットインは、メインの絵に対して、他のキャラクターのリアクションが割って入るものを言います。
現代的にはワイプ?とでも申しますか。

自信満々に蹴ったシュートを防がれて、それについて驚くリアクション、です。

迫るシュート!
ビシっとはじく
軽く飛んでいくサッカーボール
驚愕するアップル

メインの絵は、背景、FGのカエルのシャンクスくん、ボール、接触時のエフェクトですが、この部分は別の機会に。

割って入るパンダのアップルくんの処理にフォーカスします。

使用しているRascalたちのアセットはこちらです。

色々使い勝手が良いので、是非活用してください!


キャラクター配置

まずはアップルの登場する位置を決めていきます。

シャンクスがポーズを取っているフレームを出し、背景としてレイヤーノードの一番後ろに配置します。

シャンクスは、迫力を出すために少し時計回りに回転させています。それだけで下からあおったように見えますね。
レイヤーの重ね順はこちらです。

アップルをBGの上に重ねて、大凡の場所とサイズをTransformノードを使って調整します。

まずは驚いているアップルを現像して
重ねながら位置決めをします。どこかのホラー漫画のようなリアクションですね。

背景の作成

前回作った流線背景を活用してみます。

前回作ったこんな背景。

大きなサイズで作ったものを、縦に使います。

縦にして、オフセットで良い位置を出します。

さて、重ねてみます。

位置合わせした下に流線背景を敷きます。
だいぶ愉快な絵になってきました。

カットインのウインドウデザイン

さて、これをワイプ窓として切り出して、シャンクスの絵に重ねるわけですが、そこで必要になるのが、マスクです。
ここでは、マスクをSolidColorノードで作成することにします。
まずは出してみましょう。

Colorをクリックすれば、自由に色を変えられます。

まずはBlendノードのInputに先ほど流線背景を敷いたアップルのFGをつなげます。BGには何も接続しません。

次にSolidColorノードのアウトをTransformノードにつなげて、アップルのFGのマスクにつなげます。BlendノードのアウトをLayerノードの最上段につなげておきます。

マスクが全体に当たっているので結果は変わっていません。

TransformノードのScale、Roatation、Offsetを調整して良い形のワイプ窓にしましょう。

ScaleはUniform Scaleをオフにしています。
面白くなってきました!

フチを付ける

これでも良いと言えば良いのですが……せっかくなので、カットインのワイプ窓にフチを付けてみましょう。

わかりやすくするために、今作業したワイプ窓のレイヤーを「Wipe FG」、
マスクを「Wipe mask」とそれぞれ呼ぶこととします。

ワイプマスクに接続されているTransformノードの後に、もう一つTransformノードを接続します。このレイヤーを「Edge」と呼びます。
新しくBlendノードを追加して、Inputに「Wipe FG」を接続し、BGに「Edge」を接続します。
そして、ちょっと大きくしてからズラして、良い形のフチになるように調整します。

使えるものはドンドン使いまわすのがコツ。
フチのエッジがジャギっているので……

フチのジャギーをBlurでぼかしてあげましょう。

軽くブラー。
柔らかくなじみました。
FGのエッジが気になる人は、ここにもブラーを掛けると良いでしょう。

はい、こうして、カットインのレイアウトと動かす素材が出来ました。
あとはタイミングに合わせて、飛び出すアニメーションを付けて上げれば完成です。

今回は小粒なネタですけれども、マスクの使い方などは、応用の利くテクニックですので、ぜひ色々と活用してみてください!

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