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私立恵比寿中学 大学芸会2021〜Reboot〜 のこと。

大願成就である。

エビ中が、泣かせにきている訳ではないということは分かっている。ステージ上の彼女らは満面の笑顔である。でも、冒頭のVTRで既に涙腺が決壊してしまう。自分の娘というのではない。中・高生の頃、近所にいた、よく泣いていた小さな女の子の成長後を見ている感覚というのが一番近い。グループ最年長の真山りかがまさにおれにとってそういう存在だ。『イヤフォン・ライオット』からスタートする反則セトリ。そこから最後まで、涙腺は緩みっぱなしであった。数年前まで追っかけていたPerfumeにそれを感じたことはない。香椎かてぃを擁するZOCの中野サンプラザ、日本武道館で同程度の感慨を持った、と言ったところか。

この日復帰した柏木ひなたが「ただいま〜」とファミリー(エビ中ファンの総称)に手を振る。ちゅうおん(秋に開催されるしっとりとしたバンド・ライブ)以来やっと、エビ中らしい紆余曲折を経て9人が揃った。その初のフル・ライブ・パフォーマンスである。

藤井校長が新メンバーへの試練として与えた『サドンデス』。これをハイテンションでこなす新メンバーの姿を観て、やっぱり泣いてしまうんだな、これが。

個人的に驚いたのが、いつものほほんとしている小林歌穂の眼力とポテンシャルの高さ。師匠である安本彩花や柏木に引けをとらないほど上がっていた。27日は小林が全て持っていったとすら思えた。

遂に披露された9人の『ジャンプ』、『なないろ』で滂沱の落涙。アンコールはバンドを伴ってのパフォーマンスで満腹である。

余談だが、終演後のレストランで「真山推しですか」と近づいてきた青年から、コップと缶バッジを頂戴してしまった。「別に外れたって訳ではないんですけど」と彼は笑った。素敵な出会いだった。

本日28日も参戦する。散財だがエビ中にはそれだけの価値がある。前述したがおれにとってエビ中は The Beatles 、The Rolling Stones 、Led Zeppelin と並ぶ音楽的カルチャー・ヒロインなのである。後日編集、加筆あり。

2021年12月28日、築地のホテルにて。

追記

28日、ステージ正面のバルコニー席で鑑賞した。くじ引きで、校長賞が当たった。それを、あろうことか、紛失してしまったのである。いくら悔やんでも悔やみ切れない。歳のせいとはいえ、これほど自分を恨んだことはない。エビ中同様、ことエビ中に限っては何がしかのトラブルがある。青年にもらったグラスと缶バッジで自分を慰めている。情けない。

BSでの放送が決定したが、契約をしていない。円盤化を切に願ってこの稿を終わりとする。それにしても、ああ、校長賞の掛け時計よ……。

2021年12月29日、築地のホテルにて。

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