デッドデッドデーモンズデデデデデストラクションを観て。

まずはじめに。ネタバレあります。

まだ観ていない方は先に観ることをオススメします。

出来るだけフラットに、自分の心に直撃させた方が楽しめる映画だと思います。


それでは。

前章、後章両方を観ての感想を。

この作品は「絶対」というのが大枠のテーマになってる。作者さんもそのようなことを言われていた。

何が「絶対」なのか。

それはもちろん人それぞれなんです。

言い方を変えるならば

「自分の中の正義」

だと思う。


現実世界で巻き起こる戦争や論争と同じです。

この作品に出てくる主要な人物の多くが自分の正義を信じてる。

そしてその絶対的な正義は、世界が終わるとか終わらないとかそんなの取るに足らないくらいに絶対なんです。

絶対なんて絶対ない。よく聴く言葉ですが、あるんです。

だってこの作品内での絶対は100%みたいな意味じゃなく、私(俺)はコレを絶対的に信じていたい。っていう想いだから。

ラストシーン、あした地球がこなごなになってもが流れるシーン。

信じるものが、絶対がある人たちは死ぬその瞬間でも真っ直ぐ立ってる。


強いんですよね。他のものに流されないほど。

そして主要キャラのおんたんの絶対は門出。

世界なんて滅んじゃっていいから、あなたにぎゅっと抱き寄せられたい。それだけ。



そんな人間がこの世に存在するって本当に何にも変えられない。


並行世界前と後の2人の関係


元の世界(門出が死ぬ世界線)と並行世界での関係性が真逆になっていたのがとても面白い。

小学生の時の世界ってのは本当に狭い。

今の時代はSNSやネットの普及で昔よりは広くなっていると思うが、少なくとも自分の中では狭かった。

その中で初めてできた友達。しかもおんたんからすれば、自分には無い行動力や度胸を持った憧れの存在。門出。

なによりそれでいて、自分のことを想って助けてくれる人。

おんたんの中ではこの世界で何より大切に思えたであろう。

小学生のおんたんの世界の中心には門出が居たのだから。

そして文明の利器を手にして暴走していく親友。沢山の過ちを犯し、自分の正義の名の下に一線を越える。

あんなに内気だったおんたんが、初めて自分の感情を丸裸にして伝えれる相手。

その自分の世界での「絶対」が目の前で自らの命を絶った。

ブルーハーツのNO NO NOの歌詞にある

「どこかの爆弾より目の前のあなたの方が震えるほど大事件さ」

とあるがまさしくその通り。
おんたんにとっての世界は門出で作られていた。

そして並行世界。

門出は男子に攻められるあの場面。
絵面的には元の世界に比べたら些細なものだが、小学生の門出にとっては大事件である。

元の世界でも彼女の正義の始まりはこの出来事であろう。


記憶は曖昧ながらおんたんは、世界も自分も変え、門出の世界での救世主になった。


この世界(並行世界)の門出の中では、初めてできた友達で同じクラスというだけの自分を救ってくれた存在になった。

短い人生の中でも窮地と言えるあの場面で、門出以外の全てを否定しながら、盾になってくれた。

そして「僕は門出の"絶対"だからです。」と。

あなたは私の絶対、ではなく私はあなたの絶対だよ。という言葉。

めちゃくちゃ良いなーと思った。

カッコつけて言うとかじゃなくて、相手から貰いたい言葉を送ってるような気がした。


"君が居るならたとえ世界が終わる日も理不尽も矛盾も抱きしめて最高のステージ見せてやる"


あした地球がこなごなになってもの歌詞にもあるように、理不尽でも矛盾でもなんでもいい。ただ君のために。っていう気持ちがこの短い言葉に詰まってる。
中々言えないけど、この世の真理ってのはそんな事なのかもしれない。


あと後章に入ってから、かなりメインで登場した大場。
おんたんの恋人。

この件の中で恋人になる、恋をする設定は必要なのかな?とも思った。

でもこれは予測でしかないけれど、大場との関係を描く中で自然と門出との関係の描写が減るんだけど、随所でおんたんは門出を想っていたり、門出がおんたんの幸せに笑っていたり。

どんな変化があったって、2人は繋がっているし幸せを願っているし、好きとか嫌いとかそんな感情では動かない関係性ってのをより強調したかったように見えた。

だって2人は"絶対"だから。

愛の最上級は絶対なのかもしれない。


大人になって武装していた心を丸裸にされて、抱きしめられた。そんな感覚になる映画だった。


感情丸出しで何が言いたいのかさっぱり分からない文章だったけど、ここまで読んでくれた方々ありがとうございました。

次ライブであしこな聴いたら涙腺壊れそう。

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