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「うしろむき夕食店」読了!

冬森灯さんの、うしろむき夕食店を読み終わりました。

以前キリンさんのnoteで連載されていたのを既に読んでいたので、今回は二周目。
書き下ろしのおまけの一皿を楽しみに、
もう一度噛みしめるようにあのあたたかな空間に浸ってきました。

うまくいかないこと、努力しても報われないこと、そういう苦い経験ってこれまでもこれからもきっとたくさんあるけど、
うしろを振り返ってみたら自分にもちゃんと、苦さだけではないあたたかな思い出の断片が必ずある。
そのあたたかな小さなきらめきたちが、明日もがんばろうと思えるだけの力を自分にくれる。

一の皿から五の皿にかけて、あたたかい言葉や誰かを信じる気持ち、夢を追いかけようとする確かな情熱、大切な人に向けられた優しさ…
そういったまっすぐな思いに触れるたび、どうしても涙をこらえることができませんでした。

私もいちょう並木を抜けて産直の自動販売機の前を通り、いくつか角を曲がった先で不思議な生き物を視界の端に捉えて、そしてうしろむき夕食店の扉を開けることができたらどんなにいいだろう…
そう夢見てしまうほど、うしろむき夕食店の中に漂っている空気は優しさとあたたかさに満ちています。
そして何より、登場するお食事や飲み物がどれもとても美味しそうで、私も志満さんや希乃香さんの手料理が食べたい!と心から思いました。

心が縮こまったりささくれ立ったりしそうなときに何度でも読み返して心にそっとあかりを灯したい、とってもあたたかいお話でした。
出会えてよかった!

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