今や梅酒をつくるという行為だけが半ば儀礼的に私の一年の節目となり、どこか桃にも似た瑞々しい青梅の香りを嗅ぐことが、何よりいちばんの楽しみになっているのだろうと思う。うっかり齧らないようにと自分に言い聞かせながら、いつの日か、私はうっかり青梅を齧って生涯を終えるような気もしている。

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