ああいう真剣勝負、ただ純粋に必死で、勝った負けたと全身で喜び悔しがる時間を共有すること、その根底には何より己に克つことが真の目的だったように思う。太郎さんは私を介し己と闘っていた。私も同じだった。勝ち負けのない世界が必ずしも尊いわけではない。太郎さんは私の初めての、真の友だった。

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