【書評】齋藤純一、田中将人著『ジョン・ロールズ-社会正義の探究者』(中公新書)
ジョン・ロールズは、『正義論』を著し、現代の政治哲学に多大な貢献をしたことで知られる政治哲学者である。
本書は、そんなロールズについて、最近明らかとなったエピソードも交えつつ、その理論や議論を紹介するものである。
私が本書を読みながら常に抱えていたものは、ロールズの理論に対する善く言えば是々非々な、悪く言えば割り切らない評価である。
私は、古典的リベラリズムを信奉しているが、ロールズの理論と古典的リベラリズムとは、ある程度基本的な関心事項を共有している様に思われる