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猫日和 377 猫カフェ🐈にゃ

生憎の天候。雨が傘に強く当たる。
Mに誘われて、初めて「猫カフェ」というものに行った。猫を飼えない人間にとっては、束の間の癒し空間。
どんな可愛い猫がいるのだろう。

場所は原宿駅改札口を出た、道路を挟んで真向かいの3階。
直ぐに入れる、とのことで、エレベータを上がると、数人が待機状態で、ほどなく、スリッパに履き替え、荷物をロッカーに入れ、引き戸を開けて、中に入る。

猫アイスは正面のガラス扉の冷蔵庫に入っていて500円

中にはかなりの人がいたが会話はなく、猫をじゃらしたり、小さなカリカリをやったり、思い思いに猫の周りにいた。
禁止事項があって、抱いたり、膝に乗せたりしては行けない、と言う。

猫は好きだし、どうすれば遊べるのかも知っているが、それらの大部分が禁止になっていた。
猫達も、たくさんの人間がとどまることなく扉を開けて入ってきて、出て行き、その間、小さな小さなカリカリを掌に乗せてくれたりするが、食べることにも、人を見ることにも、飽き飽きしているように見えた。

ただ、猫の形をしたアイスキャンデーは、何が固めてあるのか、欲しがる猫は多く、他の人がカリカリを目の前に差し出しても見向きもせず、アイスキャンデーの方について行く。

私はすっかり猫になった気分で、部屋の片隅で、最初からやる気もなく、あたりを見渡して、あーあ、この時間が早く終わりにならないかな、と思った。
あれはダメ、これはダメ、と、言われるだけで、しらけて、椅子に座る。
猫も気の毒だな、と思っていると、椅子の下にひっそりと入ってくる猫がいて、人から隠れるように離れて、休んでいるようにも思えた。

猫カフェというものは、こういうものらしい。
人気もあるらしい。
だが、私は、最初から、猫が猫らしく出来ない空間は、どうも居心地が悪く、気が乗らない。自分の猫じゃないし、名前も分からない。
猫じゃらしを振り回したって、遠い目をして、簡単には乗ってこない。そんなことが毎日毎日で、飽き飽きしている猫は、どこかの隙間に入って静かに昼寝したいに違いない。

だったら、猫カフェなんかに行かなきゃいいのに。
それはそうだ。
でも、行ってみて初めて分かったことだから。

目が笑っている猫がいない。
猫カフェは大繁盛の様子だったが、私は、二度は行かないな。

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