雑記 706 再会

画像1 我が家の裏の家の大きな欅が、根を張って、大きな根から出た細い根が私の家の下水管に入り、2階の台所までずんずん根を伸ばして、管を塞いで水が流れなくなってしまった。それが4月の初めのこと。なぜ水が流れないのか、パイプの詰まりの原因が分からず、水道屋さんは2日間あれこれ試したが、原因が分からなかった。やっと裏の木の根が原因と分かり、水道屋さんの仕事ではないことが判明した。
画像2 隣の家のご主人、植木屋さんと相談し、こちら側に張り出した根を切ることになった。私にとっては、屋根の上をトトロの森の木のように大きく覆って、大切な木陰をくれる馴染みの木であったため、根を切る、と決まった時には、落胆した。でも他に選択はなかった。
画像3 そのままにしておくと家の下に潜り込み、我が家が持ち上げられてしまう可能性があり、切る以外選択の余地はなかった。ニシキヘビのように根はうねって、壁と雨樋の間に入り込み、太くなって、樋を止めていた金具も、ぶっ飛ばしていた。
画像4 根を切る工事は1週間ほどかかり、後で思いっきり切られた欅を見た時には、切なくて涙が出た。ごめんなさい、他に方法はなかったの。植木屋さんは、なあに5年もすれば、またいい形になるよ、と言った。
画像5 8月中頃、満月を見ようとベランダに出て、枝が手を差し伸べるようにこちらに向かっているのを見て、びっくりした。握手でもしようか、という枝の伸ばし方で、こんな何十年も真っ直ぐな木の幹で枝などなかったところから、枝が出てくるなんて。
画像6 改めて、翌日行ってみると、たくさんの枝が出ていた。嬉しかった。
画像7 今までは屋根の上を覆っていたが、今年はベランダに手を伸ばしている。生命力だなぁ、と感心し、ずっと寂しい気持ちがしていたが、吹っ飛んだ。また、伸びたい放題伸ばしたら、植木屋さんに切られちゃうんだろうけれど、よく来たね、と葉っぱに触って、小さく感動した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?