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雑記 250 Hunter's Moon in 2021

満月。
この時期、2、3日は、大きな丸い月を見ることが出来る。
今夜は満月。
アメリカ先住民の呼び名では、ハンターズムーンと言う。狩猟が盛んになる季節の月。
冬に向けての準備で、動物達が山から畑などに下りてくるので、狩猟に適している頃であるから。
中国では「優しい月」(Kindly Moon)と呼ぶそうである。

まだ、この時刻(23:00)では、空の真上、と言うわけにはいかないが、大きくて綺麗だ。

↑ 24:00 の月。

↑ 26:00 の月

満月を愛でるのは、世界中の人々。
あまりの美しさに、感動の心が震え、作られる詩や曲は限りない。
万人に分け隔てなく降り注がれる月光の恩寵。

「月がきれい」と娘からLINE。
「ほんとにね」と返し、見上げて、優しい気持ちになる。
遠く離れた場所にいて、同じ月を見て感動する、なんて、平安時代の貴族の恋愛の和歌になかったかしら。
あなたも私も、この美しい月を見て、同じ気持ちを共有している。愛しています。
木立の上を、音を立てて、風が渡っていった。
月光に照らされて、夜の街の通りも建物も、木々も、特別な世界に形を変えている。月の光が落ちるベランダも、今夜は神殿の大理石の床のように見える。


話は変わるが、今日は、私のお気に入りのFlower Shopが、移転して、オープンの日だった。

バスに乗って新宿に出る時、終点で降り、そのまま地下道に階段で降りると、左側にフラワーショップがあって、店先の花々が華やかに出迎えてくれた。
その店の作りや、匂いや、色とりどりに日毎に変わる展示の花々が、そこだけ別の世界のように明るかった。
新宿に出るなら、電車の方が圧倒的に速いけれど、このフラワーショップの前を通るために、私はバスを使っていた。
特別に買う花もないのに、花の中に佇んで、香りに包まれ、ひとつひとつ花を見ながら長い時間過ごしたものだ。
花々の展示の仕方も凝っていて、飽きることがなかった。

それが半月ほど前、シャッターが閉まってなんとも味気のない、灰色の空間になっていた。
店は移転することになった、とお知らせが貼られていた。

今日はそのショップの開店。
どんなことになっているだろうか、と期待して、移転先に寄った。

私鉄の改札を出たあたりで、微かに花の匂いがした。
近づいたが、なんだか平凡なフラワーショップになっていた。
店に奥行きがなく、天井も低く、花々は同じように綺麗だが、今までのように、何分も花の香りに包まれて佇むことはもう出来なくなっていた。
残念だけれど。

今日は新宿は抜けるように青い空だった。
色々なことが変わって行く。

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