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オンラインのデモに参加してみる(本番編)

 9月24日(金)17時。オンラインマーチに先立って「ツイートストーム」の呼びかけがあった。ハッシュタグ「 #気候危機見て見ぬふりはもうできない 」をつけて、気候危機に取り組むツイートを一斉にして「トレンド入り」を目指そう、というものだ。このハッシュタグ、気に入った。「見て見ぬふりはもうできない」ってこれ、僕のこと?!そっくりそのままのセリフ、noteの自己紹介のページに書いてるやんか!僕も微力ながら2,3テーマに合いそうなツイートをしてみた。結果としては数千のオーダーのツイートでトレンド入りには遠く及ばなかったようだ。まだまだ社会を動かすほどの「連帯」は実現できていないのだなぁと思う。これが現状だ。

 夜20時前。いよいよ本番。申し込んでおいたzoomのアドレスを開く。メインの画面と6名まで小窓で表示されている。主催者らしき若い女性の声がする「うわあ、もう150人を超えた!・・・180人!」と嬉しそう。zoom使用歴4回目くらい(笑)の僕は、もちろんこんな大規模なミーティングは未体験。まずは自分の設定を確認しなくちゃ。あれ、本名が表示されてるぞ。「みなさん、参加者+名前、に表示を変えてください。名前はニックネームでも構いません。報道関係の方は・・・」と説明がアナウンスされる。早速「参加者 ややくん」と変更。自分の顔が映っていなかったので、画像をオンにした。

 20時過ぎ。いよいよ始まった。気候危機オンラインマーチ0924。進行役はFriday For Future Japanのメンバー。学生なのかな、若い女性だ。この企画を実行するFriday For Future Japan(FFFJ)はどうやら学生や高校生を中心とした若い人たちの集団らしい。グレタ・トゥンベリさんが始めた学校ストライキの輪の広がりに呼応して立ち上がった日本の若者たちが活動しているのだ。オンラインマーチの内容だが、前半はFFFJの各支部での取り組みの紹介、後半はゲスト数名の短いスピーチ、そして記念写真撮影とコール、終了後に小グループでの交流会、という構成である。写真撮影までは出演者の話を聴くだけで、参加者の出番はない。You Tubeで生配信されており、参加者でなくても自由に視聴ができる。

 FFFJの活動報告で5人ほどの若者が順にスピーチをした。その中でとくに印象に残ったふたりのことを書きたい。

  Hさん、高校生。「中秋の名月を眺めて、ああ私は地球にいるんだな、とちょっと泣きそうになった。私たちは78億人の人たちと地球で日々暮らしている。その地球が危機的な状況にある。見て見ぬふりをしていないで、愛と希望を持って進んでいきましょう。」決然とした態度。高校生に「愛と希望を持って」と言われて大人たちはちゃんと応えられるか?

 Tさん。「仲間と『哲学対話』という『考えるアクション』を行うことにした。対話は必ず相手に影響を与え、自身も影響を受ける。だからこそ自分は対話が苦手だった。哲学対話にはいくつかルールがあって、相手を否定しないこと、相手の言葉の深いところを考えること、話したくない時は話さなくてもいいこと、考えがまとまっていなくても良いこと、など。このルールが安心感を与え、話しやすく考えやすい対話の場が生まれる。相手の価値観や考えを理解しやすくなり、普段発言の苦手な人も自分を理解してもらって貢献できる。そういう対話によって、気候危機のような『大きすぎる』課題に対して多角的な視点が得られる。そういう哲学対話には大きな可能性があると感じた。」う~ん、とても深いスピーチだ。僕も「対話こそがすべてを解決する出発点。連携・連帯の出発点」と感じているので、彼の発言にはとても共感した。気候危機を乗り越えるにはまず対話から!そうだよね!!

 若い人たちが頑張っているのは希望であり励みにもなる。逆に若い人たちにこそ希望を持ってもらうために、僕らが希望を示さなければ!

 後半のスピーチは若者から「大人」にバトンタッチ。斎藤幸平さん始め、皆若者より長く生きている分、思慮深い言葉が心に沁みる。アメリカ在住のさくまくみこさんの言葉は印象的だった。「民主主義は参加者(国民)が育てないとダメになってしまう。どうせ変わらない、という諦めのカタマリが現状を生んでしまっている。」その通りだと思う。変えよう、という意思を持ち続けない限り、現状は変わらない。

 最後にコールと記念写真。コールというのは皆でスローガンを声を合わせて言うのだが、これが面白かった。「オンラインの環境でうまく声を合わせられるか分かりませんが、信じてやってみましょう。皆さんミュートを解除してください。プラカードも持ってください。」指示にしたがいミュート(消音)を解除すると、とたんにザワザワした音が聞こえ始める。親子で参加している人の話し声が聞こえてきて微笑ましい。「あれ字が裏返しだよ。」なんて声も聞こえる。(注:zoomで自分の映像は裏返しに映るが視聴者側からはちゃんと映っている)

 コールは英語。(進行役):「What do we want?(われわれは何を求める?)」 (みんな):「Climate Justice!(気候正義)」 (進行役):「When do we want it?(いつ?)」 (みんな):「Now!!!(今)」

 この日参加者は500名近くに達した。500名でのコール、全員の声が聞こえるわけではない(どういう音声処理をしているんでしょう??)だろうが、それでも楽しい。欲を言えば、英語ということもありタイミングの取り方も慣れないと難しい。もちろんネット環境でタイムラグがあるし。進行役の方にはひと工夫して欲しいところ。もう何回かみんなで練習するとか、入りやすい間の取り方とか。これを1万人とか100万人でやったらすごいだろうな、と思う。

 終了後、小グループに分かれて交流会。どうやって分けるのかなと思っていると画面に「グループ22に入ってください。」と指示が出た。従って入ると私を含めて4名の参加のようだ。「なんだか平均年齢が高いですね。」と苦笑気味の声。確かに。若者と若い大人のスピーチばかり見てきて、いきなり50代~70代の4人。交流会で話すテーマが設定されていて「今日気候正義のために何をしたか?これから何をしたいか?」をひとりずつ話した。驚いたのは全員が何かしら取り組んでいて話すことがちゃんとあるのだ。とくに再生可能エネルギー電力の普及運動に関わっている方がふたりもいたのにビックリ。僕は今日やったこととして「この数日で4人の人をこのオンラインマーチに誘ったこと」、これからやりたいことは「気候危機を解決するのは人の力、人はつながってこそ力を発揮できる。人のつながりをつくっていきたい。」と話した。いつも書いていることとおんなじだ。それにしても4人も誘ったというのは人付き合いの悪い僕としては奇跡的だ。それだけでも自分で自分を褒めてやりたい。

 気候危機オンラインマーチ、これで終わりではない。いや、これからが始まりだ。来月10月、そして11月、とイベントは続く。1回参加して雰囲気が分かったので、もう躊躇なく参加できる。10月は1万人、11月は10万人でコールができるだろうか??そこまで急には増えないだろうけど、着実に増えていくだろう。楽しみ楽しみ。

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