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「ママのせいで、やる気がなくなった!」はいつまで許されるか

母親が子供に喝をいれる  


先日、自分のやる気がなくなったことを母親のせいにする子供を描いた漫画を目にしました。なんでも母親のせいにするのは、小さい子供の特徴でもありますが、漫画の中の子供は小学校中、高学年くらいの女の子。そろそろ自律した考えを持っていてもいい年頃でした。

「宿題やったの? いつまでも遊んでないで、さっさとやりなさい!」と母親に言われた女の子は心の中で(今ちょうどやろうと思ってたとこだったのに!?)と、水を刺されたことに腹を立て、思ったままを母親に言います。

「せっかく今やろうと思ってたのに! ママのせいで、やる気がなくなった」

それを聞いた母親は夕食を準備する手を止め、包丁を持ったまま仁王立ちで怒って言います。

「自分のやる気がないのを人のせいにするんじゃない! いろいろお膳立てしてもらってるのに甘えてんじゃないよ! すぐにやらないおまえが悪い。 言われるのが嫌だったら、言われる前に行動すればいいんだよ」

ごもっともです。鹿児島?辺りの方言がまた怖さを倍増させていて面白いかったのですが、私も昔同じようなことをしたの思い出しました。


同じやり取りなのにムスメには通じなかった


ところが、うちの子供の反応は全く違いました。

漫画の中の子供は、母親に言われたことで自分の間違った考えに気づき、すぐに言うことを聞いていました。作者の幼い時の記憶を元に書いたそうですが優等生です。

話が通じるってこういうことなんだろうなと思いました。うちでは、夫も娘も常識というか、物事の筋みたいなものが全然分かりませんでしたから、やり取りはいつも支離滅裂になるのでした。

ムスメは過敏過ぎて、叱られる事自体が苦手だったので、注意されただけでゴネ、最後は泣いて、結局、何もしなくなるので手におえませんでした。

とにかく時間と手が掛かり、この漫画のお母さんが羨ましく思えました。

言うことを聞かない子供を持つ親ほど、無力なものはないんですよ。
何を言っても聞きませんから、最終的にはこちらが折れるしかなくなるのです。

けれど、そこをきちんと意識せず、毎回言われるままに流されていくと、親も子供も後々大変なことになってしまうので、ここは気をつけなければいけないのです。

けれど、しなければいけないことを自分からテキパキする子供なんてそういませんから、それが正常発達なのか、なんなのかの長い間見分けがつかなかったのは失点でした。

ムスメの場合、叱られている内容が、そもそも分からなかったのだと思います。私を含め誰もそこに気づく人はいませんでした。

せめて夫が一緒に悩んでくれていたら、どんなに違ったかと思いますが、夫も隠れ発達で自分のことしか考えられない人でしたから、事はおのずと悪化していったのでした。


どうしたらよかったのか


発達障害あるなし関係なく、子供を叱る時は感情を入れてはいけないっていうのは、原則だと思います。 

今は常識になりつつあるこの原則ですが、子供に特性があるとそれは途端に難しくなります。

言動がなにしろ極端で常識は通用しない。こだわりなどがあって簡単に言うことを聞かない上、注意した途端に逆ギレしたりしてくるからです。

それなのに、強く叱られるとパニックになったりしますから、叱るとこちらも酷い目に遭います。

癇癪や不機嫌、暴言を吐いたり、凶暴に振る舞うこともありますが、そんな時へ気を荒立てず、動転して訳が分からなくなっているだけだと思わなければいけないのです。


効果のある叱り方を親が身につける


迷惑行為を改善させたいなら効果的に叱るコツを押さえることです。

突き詰めていくと、聖人君子になることを求められているように感じたことがありましたが、テクニックを身につければいいと思えばいいのです。事実、叱るときに感情はいらないのです。

周りが我慢できないような迷惑な言動には、ひたすら「NO」で絶対に譲らないこと。

感情はひたすら「オフ」。

子供が泣こうが喚こうが、こちらは怒った素振りを見せずに「無」に徹するのです。

アメリカの発達障害で有名なテンプル・グランディンも自分の幼少期に、親の躾が徹底して厳しかったことを共著書「自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすため人間関係10のルール」の中で、自分に必要な対応だったと感謝しています。

ここでの厳しさは、感情的に怒られるのではなく、自分勝手なわがままはとことん通らない厳しさです。

ここは自分がやらなければいけないこと、『やる気』を含め自分のことは自分に責任があること、やらなければいけない事をやっていないと人から注意されること、注意された時は、どうしたら良いかという解決策も一緒に教えてあげると良いというようなことが書いてあります。

今のムスメ


さて、今のムスメはどうかというと、相変わらず人のせいにしてしまうことは…
あります。脳の癖なのか、認知の歪みなのかは分かりませんが難しいようてす。

家では注意されると、怒ったような顔もして不機嫌な顔をしますが、昔のように暴れるようなパニックにはなりません。

私も感情オフで話すことを心がけ、勘違いのないように説明や確認をよくするようにしています。

黙って怒ったような顔をしている時は、こちらがそこから感じていることを言葉にします。

「怒ったような顔してるけど、私を責めてるの? そうじゃないなら、嫌な気持ちになるから、やめてくれない? それはママとは関係ないことだよね」

という感じです。

「不機嫌な顔なんてしてません! ママが過敏すぎるんじゃないの?」

と言い返してきたりしますが、返してくる言葉には反応しません。

人からどう見えているか、不機嫌が人にどう影響するかなど伝えると、ムスメは静かに考えて、気持ちを切り替えようとしているのが分かる時があるので、そう言う時はそれ以上言わないようにしています。

そうは言っても、ムスメがイラついている時、私に余裕のない時は、激しいバトルになってしまうことは多々ありますが、そういう時は落ち着いてからお互い反省し合っています。

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