見出し画像

ヴィクトリアンハウスに住む1

前回書いたとおり、わたしはイングランドのブリストルに住んでいる。
ブリストルへは夫の仕事のためと、'少しだけでも暖かいところに住みたい'というわたしの希望でやって来た。
イングランド、ましてやブリストルとは縁もゆかりもなかったわたしたちだが、幸いチャンスがあり引っ越してくる前の夏休みを利用して一週間家探しをしにやってきた。

この家探し、家を借りるのではなく買うためであったのでわたしたちは真剣だった。
休みの一ヶ月ほど前から毎日物件サイトを眺め、気になったところのエージェントと連絡をとり8軒の内見を予約した。

イギリスでは家の価値はほぼずっと右肩上がりである。
プロパティ·ラダーといって、若い頃に小さい家、家族ができてからそれを売ってさらに大きな家、それを売って別の家、、と転々とする人も多く、'家の価値は下がらない'と信じられているのでお金があれば(ローンが組めるまともな職についていれば)最初の家を買うのに日本ほどの決意はいらない。

実際、うちの夫もエンジニアの仕事を始めてすぐの21歳で最初のフラットを買っているし、今回それを売って夫婦の家を買うことになったのだけど、そのフラットは貸しに出していてわたしたちは別にグラスゴー中心部にフラットを借りて住んでいたため'早く家を買って住みたい。借りているのがもったいない'と常日頃から言っていた。

内覧を予約した8軒のうち、7軒はperiod houseと呼ばれる古い家、1軒は前年にできたばかりの新築だった。

これもイギリスならではで、こちらではわりと古い家の人気が高い。
'古い'と言っても築100年以上の古さ。築40年くらいだと新しい部類に入ると思う。
1900年代初めくらいまでの古い家はレンガでできているので頑丈だし、味があって(こちらではcharacterという)人気なのだ。

内覧を終えた結果、2軒が最終候補に残った。
ひとつは新築で、ひとつは1800年代の終わり(ヴィクトリア時代)に作られたヴィクトリアンハウス。
新築の方はデタッチド(独立した一軒家)だけど庭なし、ヴィクトリアンハウスの方はテラスドハウス(家々の壁がつながっている。シェアではない)で小さいけれど南向きの庭がある。
両方とも同じくらいの価格で広さも同レベル、だけどもちろん新築はすぐに暮らしはじめられるし、ヴィクトリアンハウスはかなり手入れが必要だった。

日本人なら9割が新築を選びそうだけど、夫とわたしはヴィクトリアンハウスに住むことに決めた。
犬がいるので少しでも外のスペースがほしかったのと、夫が新築の強度(最近の家は脆いらしい)を信じていなかったためである。

というわけで、2018年10月に引っ越してきてから今まで、DIYとプロに頼みながら少しずつリノベーションを行っている我が家。
最近ようやく'この家を買ってよかったなぁ'と思うところまでリノベが進んできて嬉しい限り。
Covid-19の影響で次のメインであるキッチン工事が延期になったのは残念だけど、今は自分たちでできるところを地道に進めている。

次はリノベについてもう少し詳しく書いていきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?