季節がすっかり涼しくなって 心が寒くなってきた。 わたしは、今日も変わらずに、 わたしを、取り巻く環境だけが変わってゆく。 心は小さいままに 気持ちは大きくなっていく。
「好きな人の理想になれたら。」 なんて、恋をしたことがある人ならば老若男女問わず 抱く気持ちの一つなのではないだろうか。 朝の駅のホーム、待っていた電車が颯爽と走って来て 髪が風に拐われるのを手櫛で直しながら、 そう考えていた。 次の、冬で四回目の二十代になる。 日に日に大人を増していく。 「好きな人の理想になれたら。」なんて 心から思えるような 素直な恋に出会いにくくなるらしい。 「理想の二十四歳になれたら。」
まず、“無”とはなんなのか… そんなことを起きてから今まで頭の片隅に置きながら 朝ごはんを作ろうとしたら 卵をザルに割っていて、無駄にした。 これも “無”なのか…とか考えながら。 “無”であることに集中しながら休日を過ごしている。 頭の中ではパッとしないので調べてみた。 「存在しない」「欠けている」そんなことが “無” の意味になるらしい。 そして下の方に、「むだ。」と書かれているのを見て さっきの卵を思い出して心が痛んだ。 でも “無” がなければ ”