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20230129 SuiseiNoboAz 渋谷ライブレポ

 1年近く更新しないでいたnoteを、「何か書かなければ」という衝動に突然襲われた1月末日の夕暮れ時。
 理由は明白である。私が敬愛してやまないバンド、SuiseiNoboAzのギタリスト兼ピアニスト、高野京介氏(ステージネームは高野メルドーである)に私のTwitterとnoteのアカウントをフォローされたからだ。私は去年からSNSをほぼ見ない生活を送っているためとても恐れ多いのだが、せっかくフォローしていただいたのだから、久々に何か書き散らしてみようと思い立った次第である。いい機会なので、先日足を運んだライブのレポートにしよう。そう思い立った私は近所のセブンイレブンでホットコーヒーを購入してからPCを起動した。さて、コーヒーが冷めないうちに記事を書き終えるだろうか。

 つい先日、1月29日に渋谷 TSUTAYA O-nestにてSuiseiNoboAzの6thアルバム「GHOST IN THE MACHINE DRUM」のリリースツアーファイナル公演が開催され、私は以前の職場で親しくなった音楽兼海鮮仲間の友人と足を運んだ。
 SuiseiNoboAz(以下ボアズ)のライブを見るのが初めての友人(以下しゃけ氏)は、実は私がボアズを好きになるきっかけをくれた人でもある。そんな友人を持てたこと自体幸運なのに、一緒にライブにも行けるようになるとは。チケットの購入時、軽いノリで誘ってみたら二つ返事で「行きましょう!」と快諾してくれたしゃけ氏には心から感謝したい。基本的に何をするにも一人行動を好む私だが、ライブに関しては二人程度で行ったほうが終わった後感想を言い合えるので総合的満足度が高まるよね、というのが私の見解である。

 渋谷のモアイ像で待ち合わせ、道玄坂を登り右折、ラブホ街を進むと会場が見えてくる。恐らくO-eastやO-westで開催される他のライブの影響か、色々な人が密集しており、入口が少しわからず戸惑ってしまった。同じような名前の会場を一つの場所に集約することが初見にはハードルが少し高かったように感じる。

 今回のライブの物販で、なんとVo.石原正晴のアクリルスタンドが出るという事前情報を私は見逃さなかった。その名も「ポータブル石原正晴」。前日に告知されたTwitterの呟きには、恐らく高田馬場で撮ったであろう神田川を背景に写るポータブル石原正晴の写真が。現地にライブを観に行くのにこれを買わずしてボアズ好きを名乗れないのでは?と思い、絶対購入する意思を固めていた。「3020年まで…ズッ友だぜ。」と言われたら、3020からボアズ好きになった人間としては買わない選択肢はなかったのである。
 結果、先行物販でアクリルスタンドを2個とロンTのXLを購入した。しゃけ氏もアクリルスタンドとCDを買っていた。購入後、スタッフの宮川さんが「終演後サイン会も予定してます」と教えてくれた。何にサインを貰うか考えていた私に「物販で買ったほうがアーティストに直接利益として還元されていいですよね」ということをしゃけ氏は話していた。彼は音楽ライターや編集者として、職業柄様々なバンドにインタビューをしたり記事を書きまくったりしているので、そのあたりの事情を誰よりもよくわかっているのだろうなと感じた。

 そして待ちに待ったライブである。結論を述べると、その日のライブは「最高」という言葉以外何も浮かばないライブだった。オープニングSEも無く「ぬるっと」ステージ上に現れたメンバーたち。開始直前にVo.石原正晴は言った。「今日のライブは新しいアルバムとか関係なしに現時点で最高のセトリでお届けします」と。(記憶が曖昧なので多少ニュアンスが含まれています)
 その言葉通りにセトリは新旧の名曲が揃い踏み、オーディエンスのボルテージは一曲目の「プールサイド殺人事件」から最高潮だし、演奏している4人も恐らくすべてに置いてコンディションが抜群だった。曲に関して話すと、「Ask For Tiger」からの「14」であったり、「elephant you」 からの「rock'n roll」といった、アルバム内で連続されている曲の流れをそのままセトリに加えてくれていたことが心から嬉しかった。そして、私自身まだ数回程度しかボアズのライブは見れていないが、「ultra」と「No road, No surf.」のイントロが2曲続けて流れたときはさすがにびっくりした。推察だが、あの2曲は今ではライブでも滅多にやっていないのではないかと思う。「No road,~」のイントロ時、高野氏が曲名を書いたスケッチブックを高らかに上げた瞬間がマジで最高だったな・・・。
 およそ2時間超えの凝縮されたライブ時間だったが、演奏曲はアンコール含めトータルで驚きの23曲。11月に開催された大阪ワンマンより3曲も多かった。これだからワンマンライブは最高だ。
 あの日の大阪も神がかっていた夜だったが、今回もすべての曲を全力で踊りきり拳を高らかに上げていた私は、終演後ヘトヘトで腕が上がらなかった。毎回のライブで「最高」を更新してくれるバンド、それが東京代表
SuiseiNoboAz」なのだ。

 その後、宙に浮かぶ紅く照らされたfenderのストラトとステージ上の機材たちをカメラに収めつつ「人類が滅びた後のSFチックな光景だな~」なんてことをぼんやり考えながらロビーに戻ると既にサイン会が始まっていた。中々に混んでいたうえどう並んでいるのかも掴めなかったので流れに身を任せていた。しゃけ氏は私がサインしてもらうまで待っていてくれた。

 私は結局、購入したアクリルスタンドと、移動中に最近読んでいたボアズのバンド名の由来となった小説、タイタンの妖女(著:カート・ヴォネガット・ジュニア)の表紙にサインしてもらうことに決めた。
 本にサインしてほしい旨を伝えたとき、石原氏は「俺カートヴォネガットじゃないけどな」と笑いながら「どこまで読んだ?」と気さくに話しかけてくれ、「アンクがちょっと大変です」「あーそのあたりね、ちょっと待ってね…」ペラペラとページをめくりながら「229ページがやばいよ」と石原流易しめのネタバレを喰らう。正直鳥肌が立った。勿論いい意味で。絶対に読み終わることを心に決めた。

 その後、アクリルスタンドと小説に全員分のサインをどうにか書いてもうことができ、Ba.河野氏とGt.高野氏とも軽く雑談を交わせた。
 河野氏には年末の配信「SuiseiNobouNenkAi 2022」にて、視聴がうまくできなかった際のメールでのやりとりについて感謝を述べることができ(とても丁寧にメール応対していただけて感激した)、高野氏には同じフライングVユーザーである旨を伝えることができた。まぁ私に関してはギターは現状ほぼ弾けていないのだが…。
 Dr.の松田氏の実家が函館の蒲鉾屋さんということを当日のMCで知ったので、場所を聞こうと思っていたのをすっかり忘れてしまったことだけが唯一の心残りだった。本当に悔しかった。

 そして会場を後にして渋谷で味噌ラーメンを二人で啜り、ライブの感想やらなんやら話しながら帰路についた。しゃけ氏もとても満足している様子で、「本当に一緒に来てくれてありがとうございます」と感謝を伝えた。

 そして寝る前におよそ1年ぶりのツイートをした。サインしてもらった小説を添えて。勿論ライブの感想だ。恐らくそのツイートを見て、高野氏は私のアカウントをフォローしてくれたのだと思う。それが影響してこんな長文をいきなり書き始めるのだから我ながら単純な性格だ、とひとりごちる。

 書き始めてからおよそ2時間と少しが経過した。あの日のライブ時間とほぼ同じじゃないか。北側の部屋で記事を書いていたため室内の冷え込みも働き、コーヒーはすっかり冷たくなってしまった。飲み終わったらシャワーでも浴びて、小説の続きに勤しむとしよう。

2023/01/31
自室にて ヤバいアジフライ

名台詞をポップな字体とともに。
家宝となった、ブックオフで100円で買った小説
宙吊りのストラトは糸ようじ。
車のダッシュボードに設置することが決まったポータブル石原正晴。


終演後、渋谷で食べた「男旭川」の味噌ラーメン。



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