じどうひっきにっき0319

とっぷりとしたミモザに潜ろうと
二、三度深呼吸をしてから息を止めて
鼻をつまんで背から飛び込む
揺らめくたくさんの小さな太陽が
すこしだけ肌に触れると
わたしはミツバチのように
体に纏っていた夜屑が砕けて
ぱらぱらと地面に溜まっていくのを
ぼんやりと眺めていました
すこしくるしくなったので息継ぎをしようともがいていると
溜まった夜が染み込んで
どうにもこうにも眠くなってしまいます
そうしてもうどうでもいいやと
息継ぎを忘れた体をわたしは捨てました

どっかへいったわたしのはざまに
とつぜん吹き込んだ風は水面に散った花粉で波の姿を描いて
それは指でなでつけた
だれでももっているけれど同じじゃ無いそれらのくるしみを
なんどもなんどもなめるように
ぶつぶつぶつと言葉にかえておりました
その度に浮かび上がる気泡を眺めていると
ずいぶん高いところで弾ける音がぴちぴちぴちと聞こえるものだから
すこしだけくすぐったい気持ちになってきて
すきすきすきと
応えてみるのです


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