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岡本太郎がつくった「歓喜の鐘」に描かれる妖怪!?名古屋百鬼夜行【尼ケ坂編】

岡本太郎が作った「歓喜の鐘」に描かれる妖怪!?名古屋百鬼夜行【尼ケ坂編】の模様をレポートします。

これまでの週末とはうってかわって肌寒さが感じられる日曜の朝、あいち妖怪保存会共同代表の島田尚幸さんと一緒に、名鉄瀬戸線 尼ケ坂駅をスタートして、尼ケ坂公園~片山神社(片山権現)~延命閣地蔵院~久国寺~普国寺を巡りました。

尼ケ坂は、名古屋城から見て北東側、つまり「鬼門」の地ですが、尼ケ坂の上と下とでは街の風景も随分と異なります。かつては身分の異なる武家と一般庶民とを隔てていたゆえの悲恋物語も伝わる尼ケ坂を上がり、江戸期に天狗が住んでいたという伝説がある片山神社へ。
妖怪伝説は、「音」にまつわる伝説も多いそうですが、ここに住む天狗は太鼓を叩いて、住民をからかっていたといいます。ところがこの話は江戸にまで伝わり、東京神田のお囃子連中が名古屋に泊まりがけでやってきて、そのお囃子を覚えて持ち帰った結果、それが今の神田明神のお囃子になったとか。境内には、3回までで木のてっぺんにある樽にお賽銭が入れば願いが叶うという願掛け銀杏などもあり、みんな願いを込めて投げ入れにトライしてみました。

坂を下りて、延命閣地蔵院を経由した後は、久国寺へ。
境内には、巨匠・岡本太郎が製作した「歓喜の鐘」が鎮座しています。その姿はたくさんの角が生え、まるで妖怪のよう。鐘の周囲には、上部に角のような突起。周囲には仏様や動物などが浮き彫りとなっています。岡本太郎は、この鐘を一つの世界、まるで宇宙のように捉えていたそうです。鐘の音が、360度響き、それがどこまでも広がっていくことに着想し、一個の鐘に万物を表現したそう。そういわれると、仏教でいう音の曼荼羅絵図のようにも感じられました。

境内には、コンクリート彫刻の大家・浅野祥雲作の「護国観音像」も鎮座していました。

最後は、普国寺へ。こちらでは「北大仏」や「首塚神社」を拝観。尼ケ坂駅まで戻りました。

街の中には、そこに住む人々の営みから織りなされたさまざまなスト―リーがあります。そのいくつかは「妖怪」のしわざとなったものもあるかもしれませんが、街の人々が丁寧に積み重ねてきた営みがあってこそ。そんな痕跡をたどりながらの街歩きも、街をより深く知るきっかけになるかもしれませんね。

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レポート:すず  写真:のこ

■レポートしたプログラム

■まち歩きなごや

■やっとかめ文化祭

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