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家に来る消防点検、注目ポイント紹介!

マンションにお住まいの皆さん、自宅に消防設備点検がやってきた時、何をされているのか、どう対応した方がいいか、ご存知でしょうか?

点検は作業者に言われ、なすがままになっているのではないかと思います。(それが悪いと言っているわけではありません)

そこで今回、消防点検が家に来た時、どこを見ているか・どこに気をつけたらいいかを知っていただき、点検が作業者・入居者の双方にとって意義のある機会になればと思い、この記事を書いてみました。

※1…点検者はここに書いてある設備・項目以外も点検しています。今回の記事では室内点検+αの範囲で見かける設備、わかりやすい項目を記載しています。

※2…追加でコロナウイルスの影響を加味して、点検者から入居者様にお願いしたい対応も記載しました。

よくある消防設備

まず、共同住宅によく設置されている消防設備のご紹介です。

感知器
火事が発生した場合の熱や煙を感知して、建物全体へ火災発生を知らせる信号を送る機器です。

各居室、押入、クローゼット、キッチン、洗面所、あとたまにトイレなどに設置されています。

実際の機器写真をご紹介します。

1枚目が室温が一定以上になると感知する定温式熱感知器。
キッチン、洗面所などに設置されています。
金属の板が付いているのが特徴です。

2枚目は、室温の急激な上昇を捉えて感知する差動式熱感知器。
居室全般に設置されています。
ツルンと丸いフォルムが特徴。

避難器具
火災から逃げる場合、通常普段と同じ動線で避難しようとします。
一般的には、こんな感じかと。

玄関 → 廊下 → 階段orエレベーター → エントランス → 外部

ですが、火災が発生した場所がキッチンだった場合は自宅の玄関から逃げられなくなる可能性があります。

階段で火災が発生すれば上階にお住まいの方は階段で避難できない可能性もあります。

その場合に備え、避難ルートを別に設けたものが避難器具となります。

種類としては、バルコニー床にあるハッチを開けるとはしごが降ろせる避難はしご、ヒモを体に装着して降りる緩降機、滑って降りる避難すべり台など、様々な種類があります。

こちらも写真のご紹介。
1枚目は避難はしごです。バルコニーにこんなフタ、見かけた事ありませんか?

このフタを開けると、2枚目のようにはしごが降ろせる仕組みになっています。

3枚目のように手すりに引っ掛けるタイプもあります。

続いて緩降機。
こちらは適切な写真がなかったためメーカーホームページをご覧ください。

https://www.oriro.co.jp/products/kankoki/

例にも挙げたので、最後に避難すべり台もご紹介。
すべり台です。

消火器
言わずと知れた、火災発生時の初期消火アイテムです。

種類はいろいろありますが、マンションに設置されているとなると大抵はこの粉末消火器というタイプが該当します。

火災は、

Ⓐ可燃物による火災
Ⓑ油などによる火災
Ⓒ電気設備などによる火災

という種類に分けられるのですが、粉末消火器はⒶⒷⒸどの火災にも対応できる万能型なのです。

点検はこんな所を見ています!

それでは、点検ではこの機器のどこを見ているのか?
次は見ているポイントを絞って解説していきます。

感知器
・破損はないか
破損していると、熱や煙を正しく感知できなくなってしまいます。

上記写真は定温式熱感知器の金属板が破損しています。
この状態では、熱を正しく感知できなくなります。

・反応するか
疑似的に熱や煙を与え、正常な動作をするか確認します。
次の写真の光景は、熱を与え反応を確認しているのです。

避難器具
・避難経路を確保できるか
フタが開けられるか、はしごを降ろす先に物干し竿やエアコンの室外機など避難の邪魔になるものがないかなどを確認します。

以下の写真の場合、物干し竿がありはしごが降ろしきれず、避難の障害となります。

・正常に動作するか
いざという時に確実に使えるよう、避難はしごであればはしごが完全に降りるか、緩降機であれば一定のスピードで降下することができるかを確認します。

以下の写真ははしごが降りた時の状況です。

消火器
・外観に損傷はないか
消火器には圧力がかかっており、ぶつけたり落としたりした場合に破裂する可能性があります。
(なお消火器の破裂事故による死亡例もあります。)

点検以前に消火器の変形を発見したときは、早急に管理会社や消防設備業者へご連絡することをオススメいたします。

・ピンは抜けていないか
消火器の頭に刺さっている黄色のピンは、ハンドルを握った時に誤って噴射しないためのものです。

このピンが無い消火器を運ぼうとして、ハンドルの持ち方が悪く誤って噴射させてしまい、そこら中が粉末だらけになった。
そんな事例もあります。

・圧力は規定値に収まっているか
圧力計の針が規定値(緑のゾーン)であれば問題なく使用できます。
規定値以下であれば粉末を噴射できないため交換が必要です。

以下の写真は圧力が規定値以下の状態です。
(圧力計が無いものもあります)

入居者様にお願いしたいこと

①点検箇所の扉を開けておく
点検者は部屋や押入れの扉が閉まっていると、「開けていいですか?」とお伺いします。

ですが、点検するには開けていただくほかありませんので、点検していいですよ、という意思表示の意味も含めて、あらかじめ扉を開けておいていただけると作業効率も上がりとても助かります。

また、コロナウイルスの影響下において、極力不要な接触を避けようと考えると、やはりあらかじめ扉を開けておいていただければ作業者が扉を触る必要がなくなります。

②感知器周辺のスペースを空けておく
押入れなどに設置されている感知器の場合、荷物がいっぱい入っていて試験機すら入らないことがままあります。

決して押入れの荷物を全てどけてくださいとは言いません。

せめて、感知器の周り30cm程度のスペースを空けていただければ点検ができます。

点検できないと、その押入れから火災が発生してもすぐ気づけず、気づいた時には初期消火できない段階になってしまう可能性があります。

自分の住まい、建物全体の安心安全を守るためにも、点検スペースを確保いただけると助かります。

③お互いに距離を取る、換気をする
これは完全にコロナウイルス対策です。
消防設備の室内点検は3密のうち密閉、密接の2つが該当してしまいます。

少しでもリスクを減らすため、戸を開けて換気をする、作業者に近寄りすぎないといった工夫をお願いいたします。

以上、簡略化した内容ではありますが、注目ポイントをお届けしました。

消防点検を迎える方々にとって、少しでも役立つ情報となっていれば幸いです。

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