THE FIRST SLAM DUNK
「映画のようなアニメ作品」は年々増えてきているとかんじるが、そこへじっさいに映画らしさを知覚できるものはそこまで多くない。たとえば先ごろの新海誠監督『すずめの戸締まり』などはどこまでもアニメの領分にとどまる作品だったとおもう。ロードムービー調の道中場面や写実的な風景の採択にはたしかに映画と類似する側面があるが、最終的には自己閉塞に終始してしまう点はあまり映画らしくないとかんじる(すくなくともサダイジンの憑依ではぐらかされた、あの叔母への仕打ちはあんまりだろう――身近な他者にも