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おやすみランタン

やとわです。4日ぶりの新曲となりました。

実は初投稿からまだ2週間です。既に公開している3曲は制作が同時期だったため集中的に投稿することになりました。3曲ともそれぞれに個性あるものに仕上がったのではないかなと思います。

今回の曲はコクコクと同じ世界観の作品ですが、コクコクとはまた違ったアプローチができないかと考えていました。

ところで皆さんは海が好きですか?家族で海辺に旅行に行く時、私はあまり海に入るのが好きではなくて。どちらかといえば、というかほとんどベンチに座ってスケッチをするか日向ぼっこをしていました。海が嫌いなのではなくて、入って遊ぶよりも波をみてぼーっとしている時間が好きだったのです。昼間に限らず海辺のホテルで過ごす夜はとても気分が上がって、弟と海辺を探検するのも好きでした。

夜の海は私の中で何故かいつも大きな存在。海に強い思い入れがあるわけではないのですが、目を閉じると浮かぶ風景の中にいつも海はあります。海は雄大で優しいイメージがある一方で、全てを飲み込んでしまうような怖さも秘めています。人の寂しさとか哀しみを閉じ込めているような気がするのです。

私のこの海に対するイメージの源泉にはやはり春野さんの存在が大きく関わっています。drawlsad motorを聴いてみてください。イメージがよく伝わるはずです。

「海は捨てられた墓場のよう 行くへしれず 白昼夢の中で泳ぐように雲へ手をかけてる」続けて「味気のない夜で終わらせようとしないで 踊り明かそうよ 陶器に似た呼吸にもきっと美しく目立つ 淡い後悔にひときわ沈んで」
                           (drawl-春野より)

永遠に続く時間とその中を何かモヤモヤした気持ちでひたすら漂っている人の姿が浮かび上がってきます。

この曲を作るときには米津玄師さんの「カンパネルラ」からも影響を受けました。MVで海辺を歩く彼の姿は儚く、そして美しい。そしてサビで大きく腕を伸ばして崖から海へ向かって「あの人の言う通り いつになれどいえない傷があるでしょう」と歌うシーンは私の胸に鮮烈に刻まれています。見るたびに鳥肌が立ちます。

初めは「sentiment」というタイトルにしようとしていました。しかし公開の直前に思いとどまって最終的に「おやすみランタン」になりました。どんなに気持ちが沈んでいても前を向いていたいなという思いでこのタイトルにしました。

イラストでは一作目同様ポムさんに描いていただきました。仄かに光を放つランタンとそれを抱える女の子。温かみがあってとても好きです。細かなところを見るとコクコクのモチーフが隠れていたりするのでぜひもう一度見てみてください。

曲を作り、それを誰かと共有して一個の作品として公開し、声をいただけることが一人では決してできなかった体験だと実感しています。これからも私の作品を楽しんでいただけたら幸いです。
いつもありがとうございます。

やとわ

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