最後に電車から車窓を眺めたのはいつだろうか?
だからなんだよって話ではあるのだが、まぁ聞いてくれたもう。
この前、音楽仲間のmidorimi氏と共に楽器の街こと御茶ノ水へ行く機会があった。
いつもなら出かけるときにカバンへ本の1冊でも忍ばせているのだけれど、今回はギターを背負っていたため、本を忍ばせる余裕がなかった。
midorimi氏に電車の座席を譲り、手持ち無沙汰になった私はなんとなく車窓を眺めていた。
スマホを開いて暇つぶしでも…と思ったけれど、それもなんだか乙ではないような気がして…スマホをポケットにしまったまま、つり革に体重を乗っけてブラリンと外を眺めていたのだった。
その時、なんだか車窓からの景色がとても懐かしく感じた。
いつも使っている路線だから別に懐かしいわけがないのだけれど、そういえば最後に車窓を眺めたのはいつだっただろうか…そんなことを考えていた。
ここ3〜4年ぐらい、電車に乗れば迷わず本を開いて読書タイムに充てていたから、こうして何もすることなく車窓を眺めるなんてことを随分としてなかった。
久々に見た車窓からの風景は、3〜4年前に見た時からあまり変わっていない…と思いつつも、よく観察すると新しい家が建っていたり、遠くの方でお初にお目にかかる大きめのマンションがニョキっと顔を出したりしていた。
かと思ったら通過駅前の歩道橋らしき建造物に白い布が被せられて工事をしていたり、公園に植わっている大木がなくなっていたりしていた。昔はそれなりに大きな木が植わっていたような気がしたけれど。
音楽も聴かず、聞こえてくるのは車内アナウンスと電車の走る音ぐらいだった。
なんだか不思議である。電車と対話しているかの如き不思議な感覚。
絶対に忘れてはいけないような、イノセントな感覚である。
手持ち無沙汰でこうして何もせずに車窓を眺めるのも悪くないなと思いつつ、数年ぶりに見た身近な風景の良さを実感したのであった。
おーわりっ!