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音楽関連

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初めてギターを手にしたあの日から

中学2年の頃、私の誕生日の2週間ほど前のことだ。 父が唐突に「ギター欲しい?」と聞いてきた。 私は正直、「もらえるならまぁ…」ぐらいの感覚だった。 あまりもうその頃の中学情勢が定かではないのだが、当時…世間は「〜48」系のアイドルブームが吹き荒れ、それはまるでハリケーンが如くクラスや学年を席巻し、フィールド上の魔法・トラップカードを全て持ち主の手札に戻していた。 その猛烈さから身を隠すように避難していたひねくれ男子たちは、彼らの親世代が聴いていたバンドや、音楽雑誌のト

乗り物酔いがひどかったから音楽が染みついたのかもしれない

乗り物酔いと音楽って一見なんの関係もないんだけれど、この2つを結んでくれるあるモノがある。 それは「風景」である。 私は幼き頃…というか今でもなのだけれど、乗り物酔いがひどい。 幼い頃に比べるとだいぶマシになったとはいえ、いまだに車の中で本でも読もうモノなら1分もしないうちに胸の奥がムカムカとしてくるし、バスで本を読もうもんならなんの悪気もないのに胃の中からバスジャックをキメてしまいかねない。 それこそ、取調室で刑事さんに「ゲロっちまった方が身のためだぜ」って言われる

音楽を作る時、大体頭の中で風景を思い浮かべてる

パソコンでDAWの画面を開き、音楽制作に取り掛かるわけだけれど、その際に私は曲のモチーフとしてまず風景を思い浮かべることが多い。 例えば、以前作った曲で「めらめら」というナンバーがある。 疾走感のあるドラムンベースを軸に、叙情的なメロディを乗せているのだが、この曲を作り始める時にもまずなんとなく風景を…というか、シーンを思い浮かべながら作曲に取り掛かっていた。 女の子が怒っている感じで、憎き敵に制裁を科そうとしつつ身体にパワーを溜め込みながら仁王立ちしてる…そんな風景。

『夜空は宇宙色』 - ライナーノーツ

先週アップした「夜空は宇宙色」のライナーノーツでも綴ってみようと思う。 この曲は青空、および太陽を「マジョリティ」としてのメタファーとして、夜空を「主人公の目指すべきもの、もしくは主人公そのもの」としてのメタファーとして置いている。 歌詞前段における以下、 ここの部分は自分と夜空を対比し、 「自分に嫌なことがあったとしても、それによって夜空が変な色に変化したりはしない。夜空は夜空のままである」 という指針のようなものを指している。 以前、「坂の上のビートルズ」という記

ミッシェル・ガン・エレファントが好きだったあの子

あの子はミッシェル・ガン・エレファントが好きだった。 大学1年は4月のこと。 大学に入ったら軽音学部に入るぞ!と息巻いていた私は、サークルの長宛にメールを送り、学食で簡易的な説明をするのできてくださいとの旨の返信を受け取った。 私が行っていた高校には軽音楽部がなかったから、大学に行ったら絶対に軽音楽部に入ろうと思っていた。 私の好きなRadioheadやNIRVANA、Eric JohnsonにAC/DC、ジミ・ヘンドリックスにLed Zeppelin。 高校の頃、帰り

再生

『Music by yato』 - yato's Selection

「yato」として曲をアップロードし始めた2023年7月から2024年7月までの間で、個人的に好きな曲や視聴者からの評価が高いものなどを12曲ほどピックアップしております。 「1週間に1曲を作る」という自分との約束を胸に刻み、とにかくほぼ毎日頭を捻りまくった産物でござい。 中には、何度も何度もメロディを考え直し「えーいもうどうにでもなれ!」と半ば投げやりな感じで完成に至った曲や、トラック数が多すぎてMIXがなかなかうまくいかず、「えーいもうどうにでもなれ!」とこれまた半ば投げやりな感じでMIXとマスタリングを終わらせた曲もございます。 今回のSelectionにおいて、曲をピックアップするときにそれらの記憶が蘇り、なんだか懐かしい気持ちになり申した。 と同時に、「メロディは仕方ないとして、MIXとマスタリングはちゃんとやろう」と思い立ち、ピックアップした全ての曲をReMIX&ReMasterした次第でございます。 作曲は苦しい気持ちになる…なんてのは以前noteにも記したことですが、作ってきた曲たちを並べてみて、あとで思い返してみた時の記憶の足跡を辿ることは高級料理を食べることよりも個人的には素敵な気持ちになります。高級料理もたまには食いてぇけど。 そんなこんなでこの文章を誰が読んでんだって感じでございますが、まぁ1つの節目として残しておきたい所存でございます。 yatoでした!

作曲を楽しいと思ったことは一度も無い

作曲は正直、苦しい。 作曲をし始める前。 「どんな曲にしようかなぁ」とか「こういう曲を作ったことないから今回はこんな感じで行こう」と考えるところはちょっとワクワクしている。 いざ作曲を始めると、進行を考えてメロディを考えてちょっと編曲をしつつアレンジして、あーでもないこーでもないと頭をひねる。苦しい。 諸々が終わり、MIXやマスタリングの段階になって、音がこもったりなんだりしてここでもやっぱりあーでもないこーでもないと調整に調整を重ねる。苦しい。 そして一曲として作

失敗作、『Rem』

3週間ほど前、私は「Rem」という曲をアップした。 バラード調で6月の梅雨のジトジト感、そして6月に対して猛烈に怒り狂っていた大学時代の友人を回想して作った曲である。 メロディこそそれなりなものを作ったと自負しているが、よくよく振り返ってみるとこの曲は失敗作だと言わざるを得ない。 ぜひ、画面の前のあなた様も一聴してみてほしい次第である。 さて、どこがダメか。 それは、6月の梅雨感、つまり雨の雰囲気を想って作った曲であるにも関わらず、私は曲のド頭から「雨が降る音」を入

ビートルズとカモ先輩

高校の頃、1つ上の学年に「カモ先輩」がいた。 カモ先輩との出会いは、とある授業の…というより課外活動でなんとなく喋る機会があったから…という何気ないものだった。 それ以上でもそれ以下でもない。 恐ろしいほど興味をそそられないだろう。 なぜ「カモ先輩」なのかと問われれば、確か名字に「鴨(かも)」がついていたからである。 「鴨井」だったか「鴨川」だったか…もうずっと「カモ先輩」と呼んでいたから名字すら定かではない。 カモ先輩と同じ学年の友人たちも、「カモ」「カモ」と親しげに呼

「Nirvanaみたいな曲」の解釈があいつと違った

初めて作曲をしてみた高校2年生ぐらいの頃の話である。 当時、私は父から「これが最後の誕生日プレゼントだから」と言われ、なんとまぁ当時では珍しいiPadを買ってもらったのだ。 今でこそ「ガレージバンド(Apple純正の無料音楽制作ソフト)」をiPadでも使えることは承知だが、当時はiPadで何をできるのかもあまり理解しておらず、とりあえず「録音アプリ」を入れてそこにギター+鼻歌で作曲をしていた。作曲といっても、今聞くとほんと「なんだこれ」って笑いさえ起きないレベルの代物だっ

私とミッシェルガンエレファント

チバさんが亡くなってしまった。 訃報のニュースを見てすぐ、私は汚くなったウォークマンからミッシェルフォルダを探し出し、お気に入りの曲の1つである「ダニー・ゴー」を聞いた。 音楽というのは不思議なもので、当時聴いていた曲を今になって聴くと、その頃の情景や風景が一瞬で頭の中をハックする。 あの時の自分を一人称ではなく、三人称視点でまるで俯瞰するかのように、当時の自分へとトリップできる。 そういう意味で言うなれば、『音楽』とは一種のタイムマシンではなかろうか。 ダニー・ゴ

Number Girlとの出会い

前回の記事でミッシェル・ガン・エレファントとの出会いを記したところ、なんとなくNumber Girlとの出会いもふと思い出したので記しておこうと思う。 あれは高校2年生、17歳の夏だ。はっきりと覚えている。 確か有名夏フェスの2日前…とかではなかっただろうか。 今でこそ夏フェスには行かなくなってしまったが、高校生の頃はもうとにかく自分の中で「バンドブーム」が到来しており、往年のバンドから新しいバンドまで、とにかくもう…ぬか床に浸かってるきゅうりなんて目じゃないほどに、『

作曲に音楽理論は必要か否か問題

最近のX(旧Twitter)はフォローしていない方のツイートも目に飛び込んでくることが多々あり、その日も特に何も考えずにチラッと眺めていた。 すると、「作曲に音楽理論は必要なのか」という命題が目に留まったため、ここで私なりの見解を述べてみようと思う。 (ここで言う『作曲』とは、自らの力のみでコード進行やメロディを考えることと明記しておこう) 結論から先に申し上げておくと、「作曲に音楽理論は必要である」。 ただし、そこには「ある一定の条件下において」という制限を設けさせて

「音を楽しむと書いて音楽だけど、英語ではそれをMUSICと言うんだ」

タイトルのセリフを言ってから、その先生は続けた。 「どこにも『音を楽しむ』とは書かれてないよね」 私は、この言葉が衝撃的で、なおかつ私の音楽に対する価値観を一変させたセリフでもあった__。 いきなりでなんのこっちゃなので、最初から順を追って説明していこう。 大学生は2年生か3年生の頃、私は単位取得のために「現代思想」と名の付いた講座に応募した。 応募した後でよくよくシラバス(授業計画のようなもの)を読んでみると、毎年応募数が多いとのことで抽選になるかもしれないとの記