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SEOでも「信頼」が重視される時代がくるかもしれない

Web編集という仕事柄、SEOの知識もそれなりに求められる。

SEOの世界には有名人が何人かいて、そのうちのひとりに「海外SEO情報ブログ」というサイトを運営している鈴木謙一さんがいる。
そのブログで「2018年のSEO振り返り」という記事があがっていた。

なかでも印象的だったのが、「SEO+ブランドの時代に」という項目だ。

基本的に、Googleの検索結果は上位であるほどクリックされやすい。だから、30位より20位、3位より2位を目指して検索順位が良くなるように試行錯誤するわけだけど、今後は後者の「3位か2位か」みたいな差は関係なくなるのかもしれない。

SEOにもブランド力が問われる時代になってきたのかもしれない。ネットユーザーによく知られていて、信頼性がある、そんなブランドのサイトからの結果をユーザーは検索でクリックする傾向にあるという調査データを紹介した。
ブランド認知されていれば、検索結果で1位でなくても1位よりも多くのクリックを獲得できるかもしれない。逆に言えば、ブランド力が弱ければ、1位を取っても2位以下のブランドサイトにクリックを奪われるかもしれない。

ブランド力が大事になるかもしれないという感覚は、SEOに関わるトピックで今年大きく実感した点だ。


Googleの評価基準(アルゴリズム)が頻繁にアップデートされ、検索順位は今年も大きく変わった。そのときに、どういうサイトを優先して上位表示させるかという判断軸のひとつが「そのサイトが信頼できるかどうか」だと思う。

・専門性のある情報を掲載しているか?
・根拠ある情報や、権威ある人が情報を提供できているか?
・必要な情報がもれなく記載されているか?
・サイトはユーザーから長い期間支持されているか?

おそらく、このようなイメージのチェック項目に対して適切な状態にサイトが運営されていれば、「そのサイトは信頼できる」という判断をGoogleはする。
専門性がある情報は、使用するキーワードで判断できるし、根拠ある情報は引用元の明示、権威ある人は執筆者の名前、必要な情報かどうかはキーワードと滞在時間・読了率、長い期間支持されているかはドメイン運用期間などによって判断できる。

以前、「Books&Apps」というサイトを運営する楢原さんに話を聞いたとき、SEOのことはまったく意識してないが、長く続けているとビジネス系でおもしろい記事が多いから、結果的にSEOで評価されて流入を確保できてると話があった。

この運営は、理想的なひとつの状態だ。

信頼を得たサイトなら、SEO対策で無駄に長いコンテンツを展開しなくても、ユーザーの悩みをスパッと明確に解くような文章を用意できれば、ユーザー本人も満足するし、結果的に良いユーザー体験(UX)を提供できるコンテンツとして、Googleに上位表示されると思う。

そして、この流れが加速化すると検索結果はもっと多様になるだろう。

似たような情報を1から10まで継ぎ接ぎした記事が並ぶのではなく、例えば年齢や性別、課題に対する緊急度が異なるユーザーそれぞれに呼応した読み応えのあるコンテンツがズラズラっと並ぶんじゃないかと思う。

例えば、月間検索ボリューム128,000の「エモい」で1位に表示されるCanCamの記事は、エモさとは?といったよくある切り口の文章を入れていない。

代わりに、読者アンケートと著名人のコメントで、「エモいとはなにか?」をあぶり出している。
この文章で語られる言葉は、彼女たちが考える「エモさ」の説明として、とても素直でわかりやい。

「エモい」は「便利」なのか。

多様性のあるコンテンツがGoogleによって「発見」され、多くの人が読んで納得できる状態がもっと広がれば、検索するという行動が今よりもっと楽しめるものになるのかもしれない。
できれば、そうなったらいいなとぼくは思う。


(ちょうど、文章で信頼されるためにはどうしたらいいのだろう?という記を書いた直後だったので、個人的に「信頼」がマイブームです)


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