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40歳になって思う「やりたくない仕事はやりたくない」の理由

40歳になった。
40歳になって最初に思ったことは、「20歳の2倍生きたのかオレ」ということ(そりゃそうだ)。
あと、もうひとつの節目と思う60歳までに、20年あるということ。

20歳の時には想像しなかった未来に自分が今いる。これは、なんだか新鮮だ。『夜空ノムコウ』の歌詞に、自分を重ねてみたくなる。

あのころの未来に、ぼくらは立っているのかな すべては思うほど、うまくはいかないみたいだ

ただ、思うほどうまくはいかないけど、悪くもない。そんな未来が今だ。


20代の頃は、仕事なら何でも楽しくできた。ぼくは、編集という仕事がしたかったし、働く環境としてはひどいものだったけど、それでも夢に近づいている手応えに、何日もの泊まり込みも上等みたいな、妙な根性だけはあった。

そんな根性頼みのぼくでも、30代になるとそれなりに仕事をこなせるようになる前職の編集プロダクションでは、めんどくさい仕事とか手探りで進める仕事とか、権限はないのに責任だけ持たされる仕事とか、そういう仕事が30代のときに増えた。

仕事を始めて10年近く経つので、雑誌の情報誌なら旅行でもグルメでも健康でも、ある程度は対応できる。そんな感じだっだ。

でも、編集者がやる仕事は文章の編集だけに限らない。

当時、在籍していた編プロは広告制作もやっていたし、依頼があればポスターとかポストカードとかの販促物も作っていた。企業パンフレットもやったし、アプリ向けの情報データベース作成みたいなこともやった。その、もろもろの営業もした。海外取材では、現地ライターやコーディネーター(通訳)の手配もした。SNSもたいしてない時代によくやってたと思う。

まあ、そういうめんどうな仕事、やりたくない仕事をなんとかするのが30代なのかもしれない。

で、40代を迎えるにあたって切実に思うのが、今ならめんどうな仕事からは距離を置く。正直、やりたくない仕事はやりたくない。

30代は、やっぱりお金が欲しかったり、有名な媒体や取材相手の仕事をしたかったり、なんかそういう野望みたいなものが少なからずあった。別にそれは今でもあるけど、やりたくない仕事はやりたくないが前提にある。嫌なら一生懸命に逃げる。自分がやりたい仕事だけをやれる環境をつくる。

ぼくにとっての40代はきっと、自分がやりたい仕事を選べる環境をつくる時期だ。会社員を辞め、自分の会社をつくるというのも環境づくりのひとつだと思う。
なぜなら、ぼくが憧れる40代の諸先輩方は、好きなこと・得意なことだけやる仕事環境を手に入れているように見えるからだ。

糸井さんが以前、こんな話をしていた。

寝食を忘れ無理して働けば、瞬発力で花火を打ち上げるようなことは誰にでもできるかもしれません。でも、ものごとには波があって、ダメかもしれない時期も、いまだ、進め!という時期もあります。健全な人がその波を渡っていく。だんだんと、自分がそういう人に追い抜かれていくのを想像するようになるんです。寝ないで無理すれば、大抵お酒が絡んできます。無頼を気取って飲んだくれている人を、健全な人が追い抜いていくんです。 糸井重里から働く人へ ちゃんとメシ食って、風呂入って、寝てる人にはかなわない


健全な40代でありたいと、40歳になったばかりのぼくは思っている。

きっと、悪くはない未来が待っている。

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