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溶けて消えたコンテンツマーケティングの熱狂

昨日、あるnoteを読んで、こんなことを思った。

「コンテンツマーケティングという単語を聞く機会が減ったなぁ」と。
3年くらい前、ぼくのまわりは猫も杓子もコンテンツマーケティングだった。

実際はどうなのかとGoogle Trendsで調べてみたら、2016年7月を100として、2018年12月は20から25くらいまで下がっている。

なんだか、すごく減っている。

ぼくの仕事は、コンテンツマーケティングの導入・運用支援だ。
でも、自分自身「コンテンツマーケティング」という言葉を使うことを避けている。なぜだろう。
(コンテンツマーケティングってなに?という人は、以前に書いた記事に説明があるのでどうぞ)

コンテンツマーケティングで大事なことは、数字を増やすことではない

コンテンツマーケティングは、コンテンツSEOと同じ文脈で語られることが多い。

でも本当は、

コンテンツマーケティングとは、有益なコンテンツによって潜在的な顧客層から信頼を獲得し、ファンになってもらうことで購買につなげる戦略的なマーケティング手法

のことだ。

だから、自社の特徴をコンテンツで伝え、ファンになってもらうことに本当の価値がある。単にユーザー数を増やせばいい…というわけじゃない。

例えば、ぼくのTwitterやnoteのフォロワーさん(ファン)は、雑誌とWebの経験(特徴)に興味がある編集者やライター、または情報発信したい人が多い。
そうした人に存在を知ってもらうことが、新しい仕事の相談につながるかもしれないし、逆に取材や仕事の依頼がしやすくなるかもしれない。
だから、ツイート(コンテンツ)も、そういう話題が多くなる。

ここで大事なのは、「特徴はなにか?」という問いだ。

当然だけど、自分(自社)の特徴を伝えてなければ、信頼されないしファンにもなってもらえない。

もし、小さくてよくわからない会社と、大きくてTVCMもよく見る会社と、同じ価格で同じような商品を売っていたら、大手企業のほうをぼくは買う。
でもそこで「小さい会社だけど、商品をすべて手作業で丁寧に作ってる」といった特徴があるなら、話は別だ。あまり数は多くないかもしれないけど、ぼくみたいな「人と同じものを買うのが嫌」とか考える人は、手作業で丁寧な商品を買ってくれるかもしれない。

これがマーケティングだし、そのストーリーを伝えるのがコンテンツだ。

「丁寧」とか「手作業」といったキーワードで検索する人に、文章で魅力を伝えてもいいし、「いいね」されるような写真や動画を配信するのもいい。それがコンテンツマーケティングだ。

だから、ぼくはコンテンツマーケティングの相談をされると必ず「伝えたい特徴はなんですか?」と聞く。

たぶん、コンテンツSEOはGoogleの進化によって、簡単に数字が出なくなりつつある。だから、そういう数字だけが目的のコンテンツマーケティングは、耳にする回数が減っている。でも、それでいい。
ぼくは、コンテンツマーケティングのことをコンテンツSEOの文脈で話したくはない。意味が違うからだ。

マーケティング視点を理解したコンテンツのご相談は、今も変わらずある。きっと、コンテンツマーケティングという思想が、マーケティングという領域に、溶け込んだのだろう。

コンテンツマーケティングという言葉が熱狂的にもてはやされる時代は終わった。けど、コンテンツでマーケティングすることがごく当たり前の日常になった。

それは、コンテンツマーケティングと呼ばれた思想にとって、あるべき姿に戻れたんじゃないかと思ってる。



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