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嫌われているのでは、と他人の顔色ばかりみてしまう

自分が嫌われているのでは、と気になる。きっと多くの人が体験していることだと思います。

元気なときであれば気にならないことも、心が弱っているときには、何もかもが気になってしまう、そんなこともあるのではないでしょうか。

でも中には、みんなに嫌われていないか、ずっと気になって仕方ない、という人もいるでしょう。

挨拶無視されちゃった。何かヘマしたかな…
どうして今回は飲み会に誘われなかったのだろう…
不機嫌そうだな。昨日のこと、まだ怒っているのかな。
ひそひそ話している。きっと私のことを話しているんだ。

自分でもおかしいと思うけど、どうしていつも人の顔色ばかりみてしまうのだろう。

これには、あなたがかつて傷ついた、もう二度とごめんだ、という体験が影響しているかもしれません。

例えば、上司に理不尽に怒鳴られた。例えば、理由なくクラスで無視された。例えば、いつも喧嘩する両親。時に暴力を伴って震えていた。抗おうとしても、どうしようもなかった体験。

それらは、あなたの中で、自動的に「不機嫌な人を見たら、謝らなきゃ。怒らせないように。」といったことを命令する、身体的な記憶となって、蓄積されているのです。「あんな思いはもう二度と味わいたくない」とき、人間は自動的に回避反応を出すようにできているのです。

これは、複雑性PTSDと呼ばれる、繰り返された傷付きの、一つの症状のようなものです。

ところが、この生き延びる知恵には厄介な側面があります。それは、「相手が不機嫌なのは私のせいだ」という習慣になってしまうことです。

でも、「怒っている人」の怒りは、「怒っている人」の責任です。

少し考えればわかります。例えば仕事でミスをしたら、あなたの上司は、必ず100%全員が、怒鳴りつけますか?

違いますよね。穏やかにミスを指摘して、ミスを防止する策を教えてくれる上司も、きっといますよね。あなたの会社にはいなくても、別のどこかの会社にはいる、とすぐわかるはずです。

あなたのミスは、相手の怒りとは、関係ないのです。

同様に、素っ気ない態度をとったり、無視をしたり、意地悪なことをしたり、といった相手の感情や行動は、あなたの行動の結果ではないのです。どんな反応をするかは、相手の問題なのです。

そこで、私は二つのことを提案したいと思います。相手が不機嫌そうにしているのは、私のせいではない、と考えること。そして、「不機嫌そうにしていたら、私がなにか失敗したかも」という習慣から逃れる…つまり、トラウマを処理してほしいのです。

すべての人に、完全に当てはまるとは思いませんが、少しでも心当たりがあれば、ぜひ、あなた自身の心理的ケアをしてください。当相談室でも、お手伝いができると思います。

(矢田の丘相談室 田中 剛)


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