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府中牝馬Sの回顧

開催2週目の東京開催は土曜は良馬場、日曜は土曜夜の雨で重馬場での開催。週中に多少雨も降っていたので土曜は良馬場とはいえ、開幕週の様な超がつくほどではなかったけれど高速馬場。日曜は雨の影響を受けて午前中は速めの時計が出る馬場。ただ、午後からは雨が止んだのでもう少し速い馬場に。ただ、土曜ほどの高速馬場ではありませんでした。

府中牝馬S

勝ちタイム 1分46秒1 (良)

12.9-11.3-11.7-12.1-12.0-12.2-11.3-11.2-11.4

前半1000M 1分0秒0  上り4ハロン 46秒1   3ハロン 33秒9

走破タイムランク 前半がスローで参考外

レース振り返り 横一線のスタートからディヴィーナがハナに立ち、コスタボニータが2番手。ディヴィーナがハナに立って2番手以降を少し離していき、2番手以降が固まって進む。3~4コーナーでもさらに2番手以降を離していき、5馬身ほど差をつけて直線へ。直線に入ってもディヴィーナが先頭で横に広がった2番手グループからルージュエヴァイユとライラックがが迫ったところがゴール。わずかに逃げたディヴィーナが押し切って勝利。ハナ差の2着がルージュエヴァイユ。さらにクビ差の3着がライラック。大外から伸びてきたフィアスプライドをわずかに抑えた。

レース短評 前半1000M通過が1分00秒0。2番手以降を離したディヴィーナのペースだが、高速馬場ということを考えるとスロー。その後もペースが上がらずレースの上り3ハロンが33秒9というスローからのヨーイドンの展開。内、前が有利の展開ではあったが、速い上りが問われたレース。ややかかり気味に逃げたディヴィーナが上り3ハロン33秒9を出して何とか押し切った。2着以下は32秒台を求められても届かなかった。

究極の瞬発力勝負になったが、あまりにも前半が遅すぎたのでレースとしては凡戦。勝ったディヴィーナもややかかり気味だったことを考えるとあまりエリザベス女王杯には向かない印象。個人的には瞬発力勝負なら秋華賞組2着以下の方が印象が強かった印象かな。

勝ったディヴィーナ『稽古でも難しいところを見せる馬なんですけどね。今日のレースでもコントロールが難しく、掛かり気味に先頭に立ちました。それでも、押し切ることが出来て良かったです。ここまで、惜敗が続いていましたが、それでも乗せていただいたことにはとても感謝しています。もっと長い距離もこなせる馬だと思いますよ』とデムーロ騎手。逃げ馬不在だったのでこの馬も逃げ馬候補ではありましたが、2番手以降を離す逃げは意外でした。この辺りは精神的な問題もあるのかな。こういう形だと直線で失速してしまうかなと思いましたが、何とか押し切りました。これは東京の馬場が高速馬場だったからと言っていいでしょう。ここを勝つことが出来ましたが、本質的にはマイラーかな。エリ女よりもマイルCSの方が向くとは思いますが相手が強そうです。牝馬限定のマイル前後の重賞でかな。

2着のルージュエヴァイユ『残念のひと言です。調教から四肢がバラバラで、チップが合わないのかなと思いましたが、芝に行っていい走りをしてくれました。芝の実戦に行って良さが出るタイプのようですね。この馬場ですし、逃げてもいいくらいのプランだったんですが、うまくスタートを切れずに後手後手に回ってしまいました。それでもリカバリーはできたんですが、最後の最後、もう少しでしたね』と横山武騎手。スタートで3番枠のルージュスティリアと4番枠のストーリアに寄られて後方からの競馬に。道中は外を回って少しずつ位置を上げていって、直線では大外から伸びてきました。上り3ハロン32秒7という切れを見せましたがわずかに届かず。惜しい競馬でした。スタートの不利が痛かったですが、東京コースでは素晴らしい切れを見せてくれますね。今後も東京コースで期待したいですが、エリザベス女王杯に出れたとしても力を出せるかどうか?かな。あまり調教は動くタイプではなさそうなので本番の舞台で出たとこ勝負になりそうかな。展開が向いて3着の穴候補かな。

3着のライラック『稽古で跨らせてもらって、感触の良さは感じていましたし、それが実戦に繋がればと思っていたんです。東京コースのような決め手勝負になっては分が悪いかなと思っていましたが、いい形で運べましたし、よく頑張ってくれています』と戸崎騎手。道中は5,6番手の馬群の中にいましたが、直線で前に進路が無くなると外に切り替えてよく伸びました。個人的にこの馬はスタミナ型だと思っていたのでこういうスローからのヨーイドンは向かないと思っていたので意外な好走でした。ここまで前半がスローならこういう脚も使えるという事ですし、この馬自身の地力でもあるのでしょう。今後も牝馬限定重賞なら3着以内で走れそうですし、エリ女へも期待できそうかな。

4着のフィアスプライド『普通にスタートを切ることが出来ましたが、外枠でしたからね。当初は平均的に脚を使うポジションを想定していましたが、このままだと外を回らされると思い、終いに賭ける形に切り替えました。前を捉えられそうな脚いろで直線に向いたのですが、ラストで同じ脚いろになってしまいましたね。それでも、大分復調してきたように感じます』と北村宏騎手。道中は後方を進んで直線に。上り3ハロン最速の32秒6を出しましたが3着争いまで。同じように後方にいたルージュエヴァイユは先に動いて勝ち負けを争っていただけに、使える脚が短いのかな?という印象を受けました。2着馬以上に不器用な印象ですね。牡馬混合の重賞だと厳しいので牝馬限定のG3レベルかな。ターコイズSが適鞍のように感じます。

5着のプレサージュリフト『発馬後に邪魔をされるような形になり、後ろのポジションになってしまいました。それでも直線に向いてからの手応えが良くてチャンスがありそうだったんですけどね。スローペースだった影響でバラけず、ずっと前が壁になっていました。もったいない競馬です』とルメール騎手。スタートで接触があり後方に。直線でも馬群の真ん中から進路ができないかという位置でしたがライラックとアンドヴァラナウトが前にいて進路が出来ずにそのままりじりじりと伸びる形で終わってしまいました。スタートでの不利があった上に進路が無いという残念な結果。ただ、外を回すほど切れる脚がなかったとも言えるので、今後も左回りの1600Mくらいの重賞で展開が向いての3着というところまでではないかな。

6着のアンドヴァラナウトは道中4,5番手で進んで直線では2番手グループにいましたがそこから伸びず。一瞬しか脚を使えないようなので東京の様な直線が長いコースでは向かないかな。ただ、不器用な馬でもあるので力はあるけど上位には来れないタイプのように感じます。

7着のルージュスティリア『とてもいいリズムで運べて、直線でどれだけ伸びるかという雰囲気だったんですが、これだけ伸びなかった理由を探さないといけませんね』と川田騎手。スタートで隣の馬に接触気味にスタートしてインの3番手という絶好の位置を取りましたが直線で伸びず。特に不利などもなかったので敗因は不明です。重賞の壁でしょうか。中京記念を見る限りG3レベルなら戦えると思ったんですがね。次走以降改めて判断したいです。

8着のコスタボニータも2番手で先行して伸びず『馬場が渋った方がいいかもしれません』という松山騎手のコメントから時計がかかる馬場でかな。

10着のシンリョクカ『結果的には思い切って下げるか、2番手に行くか、極端な競馬をしても良かったです。中途半端な形になってしまいました。でも、体が増えていたのは良かったですね。最後は内にもたれましたが、これは休み明けの分でしょう。使えばよくなると思うし、また1からやり直しです』と吉田豊騎手。道中は中団の外目を追走し、直線に入りましたが伸びず。特に不利もなかったので力負けかな。休み明けの影響もあったと思うけど、現状では力の差が出たというべきかな。OPレベルで改めて判断したいです。

6番人気のストーリアは3コーナー前で競争中止。予後不良だったようです。原因は不明ですが、4歳でまだまだ頑張れたと思うだけに残念です。合掌。

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