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Q思考 ウォーレン・バーガー

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2020年5月の記事一覧

Q思考 ウォーレン・バーガー

どうすれば、大きなゴルフコースを小さな島に納められる? 1980年代、グランドマイケン島にゴルフコースをつくる。島の幅は約10キロ、長さが35キロほどしかなく、フルサイズのゴルフコースをつくるのには狭すぎる。9ホールのコースを設計し、別々のティーから2回プレーできるように工夫もしたが、スイングを加減することはなかなか難しく、ややもするとボールは海に飛び込んでしまった。 そこで、コースの大きさについて考えるのをやめ、問題を別の角度からとらえることにした。「ボールがそれほど飛

Q思考 ウォーレン・バーガー(2)

なぜ、賢いビジネスパーソンが大失敗をしでかすのか? 失敗は、経営者が無能だからではない。問題を抱えていた企業の大半は、すでに優れている製品をもっと良くするためにイノベーションに力を入れていたが、世の中を変えるほどのイノベーションの本当の芽は低価格市場に生まれているということ。技術がどんどん進化していく市場の中で、値段が高く、仕組みが複雑で、利用する人が限定されている製品を手頃な値段で使いやすくすると、大衆市場が一気に口を開けてゲームのルールが変わってしまい、既存のトップ企業

Q思考 ウォーレン・バーガー(3)

「早い結果」を求めると、疑問が抜け落ちる これまでの産業経済では、答えを見つけることと自信を示すこと、それがすべてでした。やるべきことをやれば答えがわかるはずだ、疑問があるということはまともに働けていない、つまり報酬をもらう資格がない、ということでした。 なぜ、私たちはビジネスをしているのか?(そもそも何のビジネスをしているのか?) 自分たちは金を儲けるために事業を営み、金を儲けているからこそ事業を続けられる。。。たいていはどの会社もこの点には同意するだろう。けれども、

会社が最も素晴らしかったとき、私たちはどういう存在だっただろう?

定期的に「過去の理想」を振り返る 会社は最盛期にはコア・バリューがはっきりと見えてくることが多い。ときには過去を振り返り、会社の存在目的を再確認することが必要。 アウトドア用品を扱うパタゴニアは、野外活動の促進と環境保護を目指すという力強く明確に定義された存在目的を掲げている。そんな会社でさえ、目的やミッションを定期的に問い直さなければならないと認めている。どんなときでも指針となるのは創業時を思いだすこと。創業者たちが会社を始められたとき、最も大事だったのは彼らの愛してい

自分たちにとっての真実、自分たちの中心にあるものは何か?

会社の存在目的を問うことが重要なのは、これに答えられる経営者たちが確固たる基盤の上に立っていると確信していることになり、広範囲にわたってあらゆる機械や疑問を追う必要がなくなる。『製品も、経営者も、そしてトレンドもやってきては去っていく』 ★今日の気づき★自分たちの中心(一点)は何なのか?を明確に待つことで、全てのことは、手段(方法)になる。この中心を研ぎ澄ましていきたい。今日も感謝感謝 拝 Q思考 ウォーレン・バーガーより

What are we doing?「自分たちは何をしているのか?」

ナイキはシューズメーカーであると同時にデジタル企業へと徐々に変貌している。「そもそもナイキは何のビジネスをしているのか?」 『アスリートのライフスタイルのニーズに奉仕する』というコアの目的から離れることはない。 近年、このような基本的な変化を遂げている会社はナイキだけではない。アップル、ネットフリックスをはじめとする先端企業の多くは、次第にそれぞれの専門分野を離れたところに成功の源を見つけるようになってきた。もはやこれまでしてきたこと、あるいはいま知っていることには頼れな

What if?「もし〜だったら?」

企業が壊滅的変化に直面すると古い習慣や伝統が進歩の邪魔をすることがある。「もし〜だったら?」という質問のメリットの一つが、そうした制約を取り除いて新鮮な発想を(仮に短時間であったとしても)できること。 「もし別のリーダーが入ってきたら?」「もしこの会社がなかったら?」こう問うことで、業界や業界内での自社の位置づけについて白紙の状態を想定できる。 自分の会社には何の歴史もないという前提で考えると、リーダーはそれまでの信念や構造を(すでに投資をしてきたこと)にこだわらずに、新

What should I stop?「何をやめるべきか?」

「やめるべきこと」を決める。どんな会社にとっても、これまでに手がけてきた事業をやめるのは簡単なことではない。企業が定期的に自問すべき最も重要な問いの一つは「何をやめるべきか?」だと考えている。 企業のリーダーは、ともすると「何を始めるべきか」ばかり考えがちだ。したがって、十分に納得してやめることのほうがつねに難しい。しかし、何を「やめるべきか?」に答えられないと、「次にしたいことで成功するチャンスが減ってしまう。なぜなら、リソースの一部が最優先事項ではなく、もはや必要のない