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【AIと特許】特許出願するかの判断ポイントは?

こんにちは、スマート法律相談の弁護士の勝部です。

本日は、AI技術と特許について触れたいと思います。

スマート法律相談もAI技術に関連する特許を取得していますし、弊社(リーガル・テクノロジーズ)でもチャットボット以外のAI実用例を検討しています。

まさに、今最もホットなトピックの一つであるともいえますね。

AI特許として出願するかの判断

例えば、開発をしていく中で、「よいAIシステムが出来上がりそう」となっても、「必ず特許として出願すべき」とは限りません。

特許を維持したり、収益化するにも費用がかかりますし、営業秘密の要件を満たせば不正競争防止法で保護することもできますからね。

他方で、今後あらゆる分野でAIを使ったサービスが実用化されるとすると、取得しておいた特許が大化け、ということも考えられます。

では、何を出願し、または出願しないか。

参考までに、弊社では、以下の枠組みで判断しています。

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特許庁の整理では、AI発明をコアとなる「AIアルゴリズム」と、AIを応用した「AI関連発明」に分けています。

AIアルゴリズムについて

AIアルゴリズムに関する発明は、AIの性能を左右するコアとなる発明ですが、AIに対する深い理解が必要です。学術的なバックボーンもなく生み出すことは困難ですし、わざわざ特許として公開しても、それに見合う収益を生み出すことは困難です。

他社が頑張って開発してもキャッチアップできないレベルの技術(目安としてキャッチアップまで5年以上かかる)なら、わざわざ特許化して公開する必要もありません。

実際、AI開発をしても特許取得はしないと明言しているケースも多くあります。

AI関連発明について

他方で、AI関連発明は、AI開発をしていれば比較的思い付きやすい部分です。

たとえば

AIで人事の課題を解決(AI × 人事)

AIでがんの兆候をピックアップ(AI × 医療)

という類のジャンルです。

自社のサービスに関連するものであれば前向きに取得を検討すべきといえますが、ここで私が意識しているのが、「帰納的アプローチに適しているか」ということです。

AIは、「人工知能」、と訳されますが、実用上は「厳密にコーディングしなくても動作するプログラム」というイメージです。

従来型プログラムがコーディングによってアルゴリズムを得るのに対して、AIは、データに合致するアルゴリズムを逆算するという特徴があります。

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普通のプログラミングは、まず「実現したいこと」があり、それを「一つ一つ」の手順に論理分解してアルゴリズム化し、プログラム言語で表現するというアプローチをとります。

それに対して、AIは対象となるデータに合致するように逆算してアルゴリズム化するというアプローチをとります。

つまり、AIも従来プログラミングも、ゴールは一緒なんですね。

アプローチが違うだけです。

そのアプローチで重要になるのが、どういう仮説に基づいてデータを扱うかということなんですね。

まさにどういうAIなのかを特色づけるところです。

ここが読み取れないAI関連発明は、特許要件も読み取りにくいですし、実際、査定を受けられていなかったりします。

また、期待する成果が出ずに開発が無駄になるということにもつながってきます。

AIや特許をどう理解してアクションにつなげるかはまさに経営判断に直結する部分なので、できる限り戦略を言語化・ロジック化すべきであるといえます。

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