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「本を囲んだ語り部屋」2023/4/9 稲垣栄洋さん『雑草はなぜそこに生えているのか』

日曜朝のTwitterスペース「本を囲んだ語り部屋」
今回は稲垣栄洋さんの『雑草はなぜそこに生えているのか』を取り上げました!!

「雑草になるのは簡単ではない」
「道端や畑で増えることは植物にとって特殊なことであり、特殊な能力を必要とする」
「雑草と呼ばれる植物に共通する、もっとも基本的な特徴は弱い植物であるということ」

弱い植物である雑草の基本戦略は戦わないこと。ゆえに人間がいる特殊な場所を選んで生えてくるということが非常に新鮮でした。雑草について普段深く考えたことがありませんでしたが、改めて雑草に目を向けるといろいろな気づきがありました。

語り部屋では雑草を入り口に、組織や人間のあり方についていろいろと語り合いました。「雑草=邪魔」という定義は人間の勝手によってきめられたものです。一方で「雑」という字は、本来悪い意味ではなく、さまざまな草木を染色に使うと色々な色の布が出来たことに由来しているといいます。その2つの意味を往復しながら考えてみるのはすごく面白いと思いました。

組織を植物の生態系に例えたときに雑草をどのように捉えることができるか、その問いからはその組織の許容度のようなものを感じることができるような気がします。雑草がないような組織としての土壌は果たして自然なのかどうか、組織として雑草から学ぶことはどんなことか、いろいろなことを考えました。

またモデレーターのオカちゃんが紹介してくれた「トレイルズ (「道」と歩くことの哲学)」という本も非常に面白く感じました。人が山に入る中で自然と作られていく「道」。しかし必ずしもその道は最短距離で作られるわけではないというお話は興味深かったです。自然環境の中でどういう尺度が人間と自然にとって最適なのかを考えつつ、組織の中における「秩序と自由」のバランスにもつながりました。

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