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「本を囲んだ語り部屋」2023/11/12 岡本太郎さん『今日の芸術』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
11/12は岡本太郎さんの『今日の芸術』を取り上げました!!

この本では岡本太郎さんが考える芸術の意味が書かれています。

『だれでも本性では芸術家であり天才なのだ。だが、こびりついた垢に本来のおのれ自身の姿を見失っている。芸術は、日々の生活のなかで失われた自分を奪回しようとする情熱の噴出だ。そこに今日の芸術の役割がある。』

そしてこのような言葉も書かれています。

『「おれこそ芸術家である」と宣言した以上、責任をとらなければならない。ほんとうの謙虚さとは、おのれ自身に対して残酷に批判的であると言うことだ。自分を捨ててさらに大きなものに賭けること。こういう態度だけが社会を進めるのである。』

常に社会に対してまた自分に対しても疑いの目を向けながら革新的で創造的な作品を作り続けてきた岡本太郎さん。エネルギーに満ちた作品の内側にある信念と覚悟を感じることができました。

語り部屋ではTakram渡邉康太郎さんの「非表現者のための表現」という言葉にも触れながら、だれもが内に持っている表現したいものをありのままに表現していくためのヒントについて語り合いました。その中では言葉だけではない表現方法に触れていくことの大切さについても知り、ついつい言葉に偏りがちな自分を感じることができました。

今回は参加者の方に上がっていただき素敵なお話を伺いました。ご自分の中にある理性と感性のバランスと変化。子どもの頃に没頭されていた芸術との触れ合いを思い出されながら、いままさに芸術を通して分からないものを分からないままに抱えていく感性を深められているというお話はすごく刺激になりました。そして「人はパンのみに生きるものではない」という言葉にも触れていただきました。忙しい日常の中では意味のあるもの、分かるものに重心が移りがちな人間ですが、この言葉の通り即物的ではない世界も意識していくことが大切だと思いました。

ドイツの現代美術家ヨーゼフ・ボイスが唱えたあらゆる人間は未来に向けて社会を彫刻しうるという「社会彫刻」という概念も想起しました。果たして自分はこの社会においてどんな彫刻を作り続けているのかということも考える素敵な日曜日の朝になりました。

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