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#01_VUCAの時代に必要とされるチェンジマネジメントvol1「変化できる者が生き残る」

はじめまして。チェンジマネジメントコンサルタントの江田泰高です。

今日から月2-3回のペースで、組織や個人が変化に対応するためのノウハウであるチェンジマネジメントに関するnoteを発信していきたいと考えています。

突然ですが、今、時代は大きな変革の渦にのまれようとしています。長い歴史を見ても、時代はさまざまな変化を経験してきました。それが近年、さらに加速傾向にあると考えています。

デジタルによる生活や企業活動の変化

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振り返ると、1990年代から今に至るまで、インターネットの拡大やスマートフォンの登場によって我々の生活は大きく変わりました。

店舗に行かなければモノが購入できなかった時代から一転、今やインターネットを使ったショッピングが市民権を得ています。日本では、Amazonや楽天市場が強いですね。ほかにもさまざまなプレイヤーがECに参入しており、消費者もインターネットを使った買い物に対して抵抗がほとんどなくなっています。

固定電話を経て、ガラケーを持ち歩くようになった時代も束の間、国民ほぼ全員がスマートフォンを持つようになり、たくさんの情報量を一度に扱えるようになりました。以前は、音声を使った配信は、ラジオのDJや、テレビのパーソナリティだけの特権でした。しかし今や、Clubhouseや17LIVE、voicyなどアプリケーションによって、だれでも気軽に音声での情報配信ができるようになっています。「インフルエンサー」という言葉が一般化されるなど、一個人がSNSや音声動画メディアによって情報発信することが、当たり前にできるようになりました。


生活だけではありません。企業もここ数年で、大きな変化が起こっています。

最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にする機会が増えた方も多いのではないでしょうか?DXと一言で言ってもさまざまです。今まで紙でマニュアル通りに進めていた事務作業のデジタル化や、お客様の購買情報や好みなどを集約したビッグデータ分析も、DXに含まれます。

DXによって得られた情報をしっかりと把握し、スピーディーに取り込むことによって、どんな活動をすべきかの戦略を考える企業が非常に増えてきました。もちろん全ての企業に当てはまるわけではありませんが、大手企業では非常に多くの企業が取り組んでいますし、DXに着目したベンチャー企業や、新規事業を行ってる会社が非常に増えています。

技術革新の文脈では、IoT(Internet of Things)や、自動化、省人化などのキーワードもよく目にします。最近は、ロボットを使った配達ドローンや、自動運転の実用化も近づいていると聞きます。

例として、私が元々いた物流業界の技術革新を見てみましょう。外部倉庫のマッチングを行う株式会社soucoや、トラックのマッチングを行う株式会社hacobuなどシェアリングエコノミーに着目した企業が生まれました。そのほかにも、倉庫作業をサポートする台車ロボットCarriRoを作っている株式会社ZMPや、高齢者や女性の方でも重たい荷物を持てる「パワードスーツ」を開発しているCYBERDYNE株式会社など、新しいプレイヤーが次々と登場しています。数十年前にテレビや映画でみていたSFの世界が、すぐ目の前に迫っていると言えます。

 VUCAの時代における企業の在り方

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最近では、こういった時代の変化を指して、VUCAという言葉が使われるようになりました。VUCAは、こちらの4つの単語の頭文字をとった造語です。

V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)

「一寸先は闇」という言葉がありますが、先行きわからない時代がまさに今、到達していると感じます。

たとえばSNSの発信によって、企業が大きな打撃を受けたりだとか、逆にものすごい注目を浴びて商品が爆発的に売れたりだとか、そんな事例を聞いたことはありませんか?変化に敏感な世の中になっているのです。

個人の思考は非常に早く移り変わります。今日はこれが欲しい、明日はこれが欲しいと、欲求がすぐに変化します。それに対応していくことが企業にも求められますし、その企業で働いてる個人にも求められてくるのが、ここ数年の大きな変化だと感じています。

VUCAの時代に適応したビジネスをしている会社の例をあげましょう。ファストファッションを手がけるZARAでは、パリコレで出た最新のトレンドを洋服に反映させ、消費者のもとに届けるまで、非常に早いスピードで展開しています。

さて、どのくらいの期間がかかるでしょうか。

正解は最短で3週間です。

デザイナーがパリコレの意匠を取り込んだ洋服をデザインし、スペインの主工場で大量に制作し、飛行機を使って輸送して、3週間後には全世界の店舗に並んでいるのです。

一昔前は、パリコレに出ていたトレンドが消費者の目に届くまでには、雑誌などの発刊により数か月以上かかっていたかもしれません。しかし現代では、インターネットの力で、その日中にパリコレのトレンドが世界中に発信されます。数か月後に洋服を作っているのでは、消費者からすると時代遅れになってしまいます。常に最先端のパリコレのあのエッセンスがある服を着たいと感じている層に対して、ZARAが提供している価値は非常に高いといえるでしょう。

VUCAの観点では、個人の嗜好の変化だけが全てではありません。日本であれば、超高齢社会になることも大きな変化です。彼らを活用するために、どのように働き方を変えていくべきなのかという観点が必要になっています。今までとは違うアプローチが必要になっているのです。

M&Aの加速も顕著です。人口減少に伴い、あらゆる産業で限られたパイの取り合いしています。そこで、生き残るために大手との統合や中小企業の連合体をつくっているのです。
とはいえ、M&Aを行ったからといって、変化に対応できたわけではありません。企業の買収によって、やはり今まで最適だったものが最適でなくなることは多々あります。たとえばあるお店が、供給面でも、消費者にとっても最適で、一番モノが売れる最適解な立地にあるとします。しかし企業を買収することによって、その近くにもう1店舗できました。すると最適な配置ではなくなっていることでしょう。M&Aで企業の買収や売却をする場合、このような調整をスピーディーに進めなければ、生産性が悪くなってしまいます。早期に変化をしなければいけません。

例えばコロナ禍のような未曾有の危機でも大きな変化があります。ある日突然、テレワークを導入するのも、今までやったことない企業にとっては大きな大きな変化ですし、それに対応するのは、非常に労力のいることです。

コロナ禍を経て、業態変化をしている企業はたくさんあります。一方で、今だけ我慢しようと踏ん張っていた企業もありました。しかし我慢したところでいつまでこの状態が続くかもわかりません。このような企業において、倒産や赤字になる例はよく聞きます。

すなわち、この時代は、消費者の変化だけにとどまらず、コロナ禍やM&Aなど外的要因によっても変わっていきます。変わることのできる企業や個人は生き残ることができる一方で、変わることのできない企業や個人は、どんどん淘汰されていく。これが、現実として起きてるわけです。

 唯一生き残るのは、変化できる者である

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この状況、何かに似ていると思いませんか?

地球の歴史を紐解いてみると、恐竜がこの地球上の覇権を握っていた時代もありました。しかし絶滅しました。諸説ありますが、隕石の影響で地球が氷河期になり、その気象変動に対応できずに恐竜が絶滅したと言われています。一方で生き残ったのは哺乳類です。寒くなった氷河期に適用できたからこそ、生き残ることができたと言われています。

実は今、世界は氷河期と同じようなことが起こってるのではないでしょうか。世界は変革を求めている。すなわち、変革への衝動みたいなものが湧き上がってるような状態だと感じるのです。その中で、人類として生き残っていくためには、やはり変わっていく必要があります。

この考え方は、進化論で有名なチャールズ・ダ―ヴィンが、1985年に出版した『種の起源』にも通じるところがあります。そこでは、全ての生物種が長い時間かけて自然淘汰しながら進化していったと言われています。

チャールズ・ダ―ヴィンの名言を紹介しましょう。

最も強いものが生き延びるわけではない。
最も賢い者が生き延びるわけでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。

今、この世界、生き抜くためには、自然淘汰されないためには、この変化というものをしっかりと意識した上で、それを乗り越えていく必要があると私は考えています。

それでは具体的にどのようなアプローチが有効なのか。こちらについては、次回のnoteで詳しく解説していきたいと思います。

ではまた次回、お楽しみ下さい。

※12月02日、第01回note更新しました。

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