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劇団ノーミーツ旗揚げ公演観劇記

 一度も会ったことがない役者やスタッフ達と、一度も会わずに企画し、稽古し、本番を迎える。いま物凄いバズを見せているZOOM演劇集団「劇団ノーミーツ」の旗揚げ公演を観ました。

 上演は5分の休憩を挟む140分。これは演劇としてはやや長めと言える長さで、ZOOMのような環境で集中できるかと疑問でしたが、私は開始3分で一旦諦めました。ツイッターやったり飲み物取りに行ったりしながらになり、普通の演劇のような集中力は保てませんでした。

 でもある展開から、ぐっと物語に引き込まれて集中力があがり、ZOOMは演者の感情に共感しやすいメディアだと感じました。そしてZOOMには他の客の事を考えずに笑ったり泣いたりできる利点もありました。

 コメントと同時に観るという体験も新しく、誰かが小ネタに気付くとそれがシェアされる様子は面白かった。時折、配信が遅れてコメントの方がごく一瞬先に来ることがあったのは、ちょっと怖いところ。とは言え、普通の演劇でも先笑いのお客様はいるので、それほど大きな問題ではないかな。

 140分終わってみると、長いとは感じませんでした。またコンテンツとして2500円の代金は高いとは思えない内容で、総じて大成功だと思います。

 演出に映像が使いやすい、ZOOM会話の独特のテンポが演技のテンポとして作りやすい、顔のアップが続くので顔で感情を伝えやすい、などの利点もありそうですが、最大の利点は低コスト・低リスクでしょう。

 私の観た回は700名程度が同時に観てましたが、これは満員の世田谷パブリックシアターと同等の数。もし劇場を借りたら1日532,800円、前日仕込みでプラス213,800円。これだけで130万円近く経費が削減できている。
 逆に、劇場を借りたが公演を自粛せざるを得なくなった場合、収入が無いまま先払いした130万円が戻ってこない可能性もある。(数年前から予約が必要な高名な劇場なら尚のことリスクが高い)

 もちろん全員が役にふさわしい部屋に住んでいる訳もないのでそんな単純な話でもありませんが、3密を避け無ければいけない、いつ中止せざるを得ないか分からない、そんな演劇のこれからの形として相当なメリットを感じます。 

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 ZOOMだけでもコンテンツとして成立するんだ、というのを目撃できたのは素晴らしい経験でした。
 
 皆様、ありがとうございました。
 ZOOM打ち上げ楽しそうだなぁ。

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