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Z9で撮影が変わったのを実感した話

 昨年末発売したnikon Z9。直ぐに予約し、5年ローンを組んでまでフラッグシップモデル(いま一番良いやつ)を買いました。
 人気だったため手に入るのが少し遅れ、手元に来てから半年ほど経った先日、JJF2022(ジャグリングの大会)で撮った写真がこちらです。

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 これ、Z9の完全無音撮影機能を使わずには撮れなかった一枚です。なぜなら、この写真はコンテスト本番中の最前列から撮った写真だから。Drippy Crowさん、チーム部門三位おめでとうございます。

 コンテスト中なので、演者が気が散るようなシャッター音はNGである上、オンライン配信向けに拍手を録るためのマイクが最前列にあり、僅かな音でも出せる状況ではありませんでした。

 ちなみに、公式カメラマンとしてシャッター音OKのリハも撮ったのですが、記録係として撮れていないことを防ぐための引きが多く、ここまでの攻めた画角を狙えたのはほとんど本番でした。報道としては本番の方が価値が上ですしね。
 更に言えば、当初の本番用撮影席はとても離れていて、完全無音なのでとお願いして最前列をご用意いただけたから撮れた、という裏話もあります。

 間違いなく、完全無音撮影だからこそ撮れた写真です。やはり、完全無音で撮れる写真が変わるだろうという予想は正しかった。この機能こそ私がZ9を購入した理由なので、撮れた喜びもひとしおです。


 完全無音撮影で新たに撮れるであろうシーンは他にも思い浮かびます。クラシックコンサート、ゴルフのインパクトの瞬間、お葬式、などなど。公演のリハでも演者の集中のために無音以外だと撮れる写真が限られてきます。

 ずっとニーズはあったのに、いままで完全無音撮影が出来なったのは何故かと言えば、それはカメラの物理的な仕組み上の問題があったからです。

 いままでのカメラは、レンズから入ってきた光を鏡で反射させて「光学ファインダー」から覗くという機構がありました。鏡はセンサーより前にあるので、撮る際にはそれを跳ね上げる必要があるのですが、この音がかなり大きい。なので無音を実現するためには、「ミラーレス」である必要があります。

 もちろん物理シャッターも音がします。「電子シャッター」なら無音になるのですが、メモリに書き込んでる最中に被写体が動くと歪むという問題があります。この問題は、とにかく速くメモリに書き込むことで軽減させ、軽減できなかった部分は諦める以外の解決方法はありません。

 つまり簡単に言えば、メモリの書き込み速度が爆速化した現在で初めてまともに手に入れることが出来たミラーレスカメラの機能が、完全無音撮影なんです。

 なので、メモリが廉価になるであろう数年後にはもっと普及し、報道では完全無音撮影が標準になる日も来ると思います。もっと小型化すれば撮られた側が気づいていないスクープ写真も出てきたりするのでしょうか。

 そんな大無音撮影時代に先駆けて、良いクオリティの写真が撮れたことで、新時代に臨む自信ができ、自分の中でひとつ区切りが出来ました。

 次はもっと創作性を高めた写真を出せるよう、頑張ります!

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