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サーカス学セミナー「澤田隆治サーカスを語る」

 サーカス学会が発足し、私も理事として名を連ねております。理事長は大島幹雄さん。以前「サーカスだん」で引退を機に好きなことをすると語っていましたが、その好きなことの1つがこのサーカス学会でした。

 2020/2/1、学会主催の初イベントは「澤田隆治」さんにサーカスを語ってもらうというもの。約50人が早稲田大学に集まりました。

 澤田さんは伝説的テレビプロデューサーで、最高視聴率64.8%の「てなもんや三度笠」をはじめ、「新婚さんいらっしゃい」「ズームイン!!朝!」など有名番組を多数手がけていますが、「花王名人劇場」などの大衆演芸分野を得意としていて、その中でサーカスとの関りも多くありました。

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 澤田さんは「特に花王名人劇場の中の『一芸名人集』は大変に話題になって一躍有名になり忙しくなって亡くなってしまった人もいた」と言って会場を笑わせていました。

 その花王名人劇場で、パリ郊外でサーカステントを張って当時ヨーロッパで活躍しているクラウンを集めてコンテストを開くというかなり贅沢な回があったので、映像を見せてもらいました。
 バブル時代の番組なのでかなり古いはずなんですが、色んなクラウン達の芸は色褪せること無く、講演会に集まった人達を沸かせていました。

「このあとサーカスがダメになっていきクラウンの仕事が減っていった。滅びゆくクラウン芸が最期に一堂に会したじゃないかな。審査委員長をしていたザパダもこの4年後に自殺した」と大島さんが寂しそうに解説していました。

 この放送で出演していた桂文枝さんは、澤田さんプロデュースの「舶来寄席」でも毎回一番前で見ているくらいだそうで、澤田さんが今の日本の芸能に大きく寄与しているその人なんだな、というのを感じました。
 舶来寄席は世界中から活躍している人を集めているので出演交渉が大変な贅沢な企画だけど、それはお客さんにはあまり伝わってないんだよな、と笑っていました。
 実際、舶来寄席のラインナップは毎年かなり良く、知名度や再生数だけで選んでいないのは明らかです。サーカス学会のみんなで今年6月に大阪に観に行こうか、なんて話していました。  

 私にとっての澤田さんは、メガバブルショウの呼び屋さん。学会後に話す機会があり、メガバブルショウのことを話題にしてみると、「あの青年はシャボン玉ミュージアムを作るという夢を語ってくれた。結局ラスベガスではなく、ベトナムでその夢を叶えた」と教えてくれました。
 そう澤田さんが本当に嬉しそうに話すのを見て、ああ、巨大産業へ発達していくTV業界の黎明期に、これほど優秀な人が、寄席への愛を持ってサーカスを広めていてくれたという事実に感謝の気持ちになりました。実はフィリップジャンティも澤田さんが招致したと聞いて、知らなかっただけで自分にとっては恩人のような方だったんだ、そんな人と話ができて良かった、そう思いました。

 最期に大島さんと澤田さんの歴史的ツーショットをパシャリ。カメラマンとして今までで一番緊張した(笑)

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 サーカス学会の情報はこちらからどうぞ! https://www.facebook.com/CIRCUSGAKKAI/

 毎月1回サーカス学ゼミもやってますので、宜しくお願いします。

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