手段と結果どっちが大事か?

第13回目の今日は、「手段と結果どっちが大事か?」という話を書いていきたいと思います。

結論から言うと、どっちも大事なのですが、この2つをしっかり理解して、それを自己成長のために役立てている人は少ないのではないでしょうか?

今回は、この手段と結果を深堀っていきたいと思います。

手段が大事だと教わる

マネジメントや子育てにおいて、結果よりも手段に注目して褒めるといいとされています。例えば、何かプレゼンなどで勝った時の場合、上司は「よくやった!」という結果を注目するのではなく、「残業沢山して誰よりも頑張ったもんな」という手段に注目して褒めた方がいいということです。

部活なんかもそうでしょう。
例えば野球とかは全国優勝したチーム以外は必ずどこかで負ける。
そうなると監督は、「おまえらは今まで全力で頑張ってきた」
と、手段を褒められると思います。

これらは結果がどうであれ、褒めた方が次へのやる気が高まるからです。
プレゼンに負けてもそこで仕事が終わるわけではないですし、部活も卒業しても教える立場の人間からすれば、社会に出て立派になってもらいたいという想いがあります。

世の中は結果が全て

ここで少し矛盾が発生します。
マネジメントとしては「手段」を褒めるのが正解と言われ、
実際世の中で求められているのは「結果」という事実に。

下記の例を見てみましょう。

A.プレゼンで徹夜して頑張ったのに負けた
B.プレゼンであまり頑張らなかったが勝ってしまった

マネジメントとしては、Aを一生懸命にケアしようとしますが、評価としてはBの方が上です。しかし、このAとBが同じ社内にいて、同じプレゼンに参加するという事はないので、実際のところ、このAとBは比較されないままとなります。

このように、実際に自分より上の結果を出した人を見ることなく、手段を賞賛されてしまうので、「結果がすべて」という現実から徐々に逃げてしまっている体質になっていたりもするわけです。

結果が出たから手段がフォーカスされる

例えば元大リーガーのイチロー選手は、人の何倍も練習をした結果、あのような素晴らしい選手になれたわけですが、結果が出せていなかったらどうでしょうか?
頑張ったという手段は賞賛されたでしょうか?

イチロー選手は結果ではトップレベルの結果を出しましたが、練習量においてはイチロー選手より頑張った人はいるかもしれません。
でもそんな選手の名前、聞いたことないですよね?

つまり、結果が出たから頑張った手段が賞賛されるわけです。

手段は変えていくべき

手段の賞賛でやる気が出るのはいいですが、受け手は、その手段は正しかった。という考えにはならない事が重要です。頑張ったけど、たまたま運が悪かっただけと思いたい気持ちは分かりますが、また同じ手段を繰り返しては、負け戦を続けていく事にもなりかねません。

結果を出すためには手段の見直しというのが必要です。一生懸命頑張るのは大事ですが、そこにも必ず無駄が存在します。最初の段階においては質より量の方が大事ですが、結果は質で決まります。量の改善を日々していくことが、結果を出すには重要な作業のひとつなのです。

トップ2割の考え

とあるアンケート調査によると8割の人が、結果がダメでも手段を褒めてほしい。と答えていて、残り2割の人が、しっかり叱ってほしいと回答したそうです。この2対8、よく聞く割合ではないでしょうか?

会社はトップ2割の人が8割の売り上げを上げている。といった類の話です。
このトップ2割の人は、結果がダメでも褒めてほしいと思っているでしょうか?

マネジメントとは結果を出す層に行われるわけではなく、マネジメントをすることで良い結果を生み出す事ができる層。つまり会社のトップ2割以外の人中心に行われるわけです。トップ2割の生産性を2割上げるより、残り8割の生産性を2割上げる方が効率的で、母体数が多い分、会社に与える影響も大きいからです。

日本の企業は手段重視にしがち

日本の企業の多くは、年功序列で終身雇用という体制を取ってきたので、結果よりも手段を重視されるケースが多いです。何故かといえば、結果を出せない人に対し、厳しい評価を下せない社会の仕組みがあるからです。

成果を出せない人にも必要最低限の評価をしなければならないので、結果を出した人に対し100%の評価を出せません。なので、そのかわりとして、結果を出した人に対して、結果よりも手段にフォーカスして褒めることで、評価をうやむやにしようというマネジメントが少なからずあるのです。

こうなるとそこまでノルマのない安定した企業においては、部下が結果を出さない方がマネジメントが楽でいい。そう思う上司も出てきます。上司にとっては、結果を重視せずに手段を褒めるという行為は”楽”なのです。

一所懸命努力したけど結果の出せなかった部下に、厳しい評価を下すのは上司としてはとても避けたいところです。でも、それをしっかりやるのがマネジメントの本来の仕事。しかし、部下にできる限り”いい人”に思われたい、部下と仲良くしたい、そう思っている上司も多いのではないでしょうか。

この記事を読んでくれている読者の方の殆どは、マネジメント層というよりは現場の人なのかなと思います。もしそうであれば、手段と結果について、もう一度、しっかりと手段を見つめ直し、上司の褒める・叱るも冷静に分析してみると、自分も上に立った時に役に立つと思います。

結果が大事という内容に少しなってはいますが、努力し続ける手段も結果を出し続けるにはとても大事です。しっかりとした結果が出るように日々PDCAを回して、毎日少しでも成長できるように頑張ってください!

今週は梅雨っぽい1週間になりそうですが、頑張ってまいりましょう!

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