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うどんと人生

うどんが好きだ。比較対象は必要無い、絶対的な好き。
ソクラテスやプラトン、ルソーやアダムスミス。
彼らは後世の為知恵を絞り、世界と戦った。そして歴史に名を残した。

だが、うどんという食べ物を知らなかった。ただその一点だけで彼らは不幸といえる。言い切れる。

ドイツの哲学者、ショウペンハウエルも自著『うどんについて』でこう語った。

出汁は聖水のようなものだ。飲めば飲むほどに喜びを覚える

嘘である。

私といえば、幼少の頃から大好きだ。言うまでもなく。
特に、水炊きの後半、鶏肉の脂が充分に溶け出した鍋にブチ込むソレは筆舌に尽くし難い。いや、うまい。
具体的に説明すると、あたかも脂がチーズのような芳醇で濃厚な旨味を帯び、それを纏わせたうどんが喉を通り過ぎる。その快感たるや、無上の喜びである。
つまり、筆舌に尽くせるのだ。
無論、味ぽんも立役者であることを、お忘れなく。

余談だが、不良のような容貌の若者がうどんを啜る姿を見てほっこりした事がある。余談終わり。

最近はコロナ(反うどん団体がばら撒いた戦略的ウィルス)の影響により、めっきり外食の機会が奪われてしまった。
正直、最後に外食したのがいつだったか。それすらも。
幸い私は、うどんで有名な某県のすぐ傍に在住しているのだが、状況が状況だけに、どれだけ煮湯を飲まされているか、おわかりだろうか?
お気に入りの店があり、網羅的にうどんが揃う。おでんもある!
中でも特に、大阪発祥ではあるがかすうどんが大好きなのである。
もし、独身だったなら。背負う物がなければ。
心と現実との乖離。
私にストア派を気取れというのか。残念だが、エピクロスを支持させてもらおう。

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