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第63回 政策に影響力のある政治家を知る‐厚生労働政策のケース(2023年版)‐


1. 政治家は政策を変える有力な変数

官僚、与野党の政治家、業界団体、政府会議の委員…政策を変える力を持つステークホルダーはいくつかあります。民間サイドから政策を変えていこうとする場合、彼らの賛同は政策変更の推進力になります。あなたの政策に賛同してくれそうな人たちやグループがどこにいるかを把握することは、政策変更を考えるうえで重要な要素です。

数あるステークホルダーの中でも政治家は「政策の優先順位を変える」ことに大きな力を持っています。時には大臣などとして行政機構のトップに立ち、官僚に指揮命令を取る立場ともなり、時には行政機構の外から、与党の政治家として、業界団体や市民からの声を踏まえて、政府に進めるべき政策を提案していきます。

政治家であればだれでもよいのか、というとそういうわけではありません。その政治家のこれまでのキャリアや関心事によって、影響力のある分野やその強さは異なります。基本的な政策作りの流れは、①官邸の意思表示や事件の発生など政策作りのきっかけがあり、②官僚が政策案を作成し、③審議会など政府の会議で議論して政府案を作成し、④与党の部会等で 政府案にお墨付きをあたえ、⑤国会の議決で政策化する、ことになります。この①~⑤のどこかで影響を与えられることが政策変更の鍵になります。

①~⑤のプロセスの中で、どのような政治家が影響を与えられるのか、詳しく解説していきます 。

(執筆:西川貴清 監修:千正康裕)
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