ハッタツ・発達 繁盛繁盛ますます繁盛住吉大社・楠珺社(なんくんしゃ)の大楠


大阪市住吉区の住吉大社には、国宝の四つの本殿があり、第一本宮の背後には、樹齢1000年以上におよぶ楠が聳える。人々はこの大樹に神秘的な霊力を感じ、祈りを捧げ、楠の根元には祠が設けられ、楠珺社(なんくんしゃ)と呼ばれる神社へと発展していった。

大阪・住吉大社の楠珺社(なんくんしゃ)の楠

青々と繁る楠の木漏れ日を浴びると、降り注ぐ神々の恵みで満たされる幸せを感じる。「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんな」、どこからかそんな会話が聞こえてきそうな商人の街・大阪。この街の御神木には、お稲荷さん・宇迦魂命(うがのみたまのみこと)がお祀りされ、今では商売繁盛をもたらす「はったつさん」として親しまれている。 

住吉大社では、月初めの辰の日・「初辰(はったつ)の日」に参拝すると「発達」するとのゲンをかつぎ、種貸社、楠珺社、浅沢社、大歳社の四社をそれぞれお参りする慣わしがある。楠珺社は、初辰まいり2番参り。初辰まいりの中心的な神社で「願いの発達」を祈る。

また「始終発達(しじゅうはったつ)」の語呂合わせから、初辰の日に48回お参りを重ね、48ヶ月間(4年間)を達成すると、福が授かり、満願成就になるとも。毎月の参拝の証に、小さな招福猫(しょうふくねこ)・招き猫を神社から授かり、招福猫には、左手を挙げた「人招き」、右手を挙げた「お金招き」のご利益があるといわれ、奇数月には左手を、偶数月には右手の猫を求める慣習がある。
そして小さな招福猫を集めて48体をそろえ、神社にお返しすると一回り大きな招福猫(中猫)と交換してもらえ、さらに大きな猫へと交換しながら、発展と繁栄を祈願していく信仰も根付き、初辰の日には特にこの御神木に願いをこめる参拝者が絶えない。


一本の大樹が商売繁盛の願いを受け止め、一粒万倍、商売発達、発達、発達。古くより商いを営む人々から篤い信仰を受け「はったつさん」として親まれ、住吉大社の末社の中でも、商売発達・家内安全の神社として鎮まる楠珺社。この御神木から、商売発達はもとより人生発展、発達の御神徳をいただきたい。








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