見出し画像

なぜ進捗は日付で聞くべきなのか?

フォーマットなど何も前提がない状態で、もし自身の作業の進捗を聞かれたとしよう。あなたはどう答えるだろう?
出来高や達成度で答える人(「15本終わりました」「8割終わってます」)と日付ベースで答える人(「1日遅れる見込みです」)。もちろん両方という人もいるかもしれない。

立場上様々な仕事でメンバーの進捗を確認することは多いが、納期意識の高い人は大抵日付ベースで答えてくれる。(オンスケですとか、何日前倒しですという感じ)
日付で返してくれない人は「ではオンスケということでいいですか?」と聞くとモゴモゴされる割合が高い。(あくまで私の主観。ちなみになんでもオンスケという人は別の問題なので一旦置いておく)

答え方として一番嬉しいのは、予定納期に対する完了見込みのステータスを語った後、その根拠をエビデンス(出来高)付きの割合を添える言い方。聞き手としてはありがたい。
(例:「オンスケです。進捗は80%です。15本中12本が完了、残り3本も明日には終わる見込みです。」)

少し大げさに言えば、こうした進捗への回答方法に納期に対する考え方が見え隠れする。納期意識の高い人は恐らく以下のような考え方をしているはずである。

①ゴールから現在を見ている
②納期を約束だと考えている

こうした人は、あくまでも自分の仕事が完了するまでにやるべきことは全て自分が関わるべきタスクだと思っているので、自分の遅れを人のせいにしない。誰かのインプットが必要で待ちが発生するなら自分で催促する。また想定外のことへの備えも可能な限り行う。

タスクの出来高や完了割合は、あくまでも自分目線での話だ。自分の仕事がどれだけ終わったかどうかは一つの目安でしかない。完了基準がレビューしてもらうことなのであれば、レビューワーをちゃんと期日までにレビューするように催促することも仕事のうちである。

こうした観点をメンバーにもってもらえるように、進捗は日付で聞くのが良いと思っている。

今自分がやっている仕事はいつ終わるのか?

自分で自分にこの質問をして答えられない時は要注意だと思ったほうが良い。計画時点でタスクが洗い出せていないか、自分のコミットメントが薄れている証拠だ。こういう時はあまり自分でなんとかしようとせず、信頼できる上司や仲間に簡易コーチングしてもらうのがお勧めだ。簡易コーチングとは用意された質問をしてもらい、自分が出した答えをただ聞いてもらうコミュニケーションを指している。

・この仕事は完了基準は何?
・その為にやるべきことを全て洗い出してみて。
・何か問題はある?制約や不安なことがあるとしたら何?
・この仕事をやり切る覚悟を100点満点でいうと何点?
・100点に足りないとしたらそれはなぜ?
・遅れがあるとしたらリカバリーするにはどうしたらいい?

上記はほんの一例だが、こうしたシンプルな質問を相手にしてもらい、それに素直に答えるというやり取りをするだけでも、ある程度自身の中で整理されることも多い。あわよくば自己解決することもあるかもしれない。

終わりから考えなさいとはよく仕事のイロハで教わることである。ただ普段は当たり前にわかっていたとしても、余裕がなくなると自分自身も目先のタスクに意識がもっていかれることは今だにある。マネージャーにとって進捗管理の原点は、まずメンバーに自分を冷静に客観視してもらうことなのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?