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エンディングテーマ/終わりに

エンディングテーマ

楽曲テンポ:色々

使用楽器:ティンホイッスル、ピッコロ、フルート、オーボエ、クラリネット、トランペット(3)、トロンボーン(3)、ホルン(6)、クラシックパーカッション、スチールギター、ブズーキ、ピアノ、ストリングス(86443)

いよいよ約1ヶ月半続いた楽曲解説企画もこの曲で最後になります。
最後は主人公キャラで4章ボスを倒した時に見られるスタッフロールのバックで流れるエンディングテーマになります。

この曲はオルステラの8つの地方それぞれのフィールド曲のモチーフをメドレーにしたものになっています。
当初8人の主人公のテーマモチーフのメドレーという案も出ていたのですが、最終的にはその案は採用しませんでした。
理由の一つとしては、オクトパストラベラーは旅をモチーフにしたゲームなので旅したフィールドのテーマをメドレーする方がゲームコンセプトと合うだろうと言う事。
そして、ゲームの仕様上全てのキャラを仲間にしないでもクリア出来る為、キャラテーマのメドレーじゃない方が良いだろうと、これらの理由によりフィールドのメドレーが採用されました。

いくつかのインタビューで、ゲーム内楽曲のコンセプトとして、「キャッチーなメロディ」と「ゴージャスな音像」を両立させる為に、敢えてアレンジの余白を作り、シンプルな歌モノのようなアレンジにするよう心がけた、という内容を喋ったのですが、この曲ではそのコンセプトを覆しています。
このエンディングのメドレーは、フィールド曲をがっちりしたオーケストラアレンジしたらどうなるかというコンセプトで作っていて、
フィールド曲のシンプルなアレンジを受けての、エンディングのオーケストラアレンジという事で、中には割と大胆にアレンジしたものもあるので、そう言った面からも楽しんで頂ければ幸いです。

またこの曲ですが、フィールドメドレーが終わった後にクリアした主人公のテーマモチーフが流れる仕掛けになっていて、8人それぞれ違ったバージョンが存在します。
(サントラのボーナストラックに収録されている各キャラのモチーフが挿入されます。)
このモチーフの挿入がまた大変で、エンディングのスタッフロールの仕様上、そこに至るまでの時間と、その後のメインテーマが始まる時間を8タイプ全て同じにしなければいけませんでした。
(つまり、それぞれのテーマモチーフを同じ秒数で終わらせなければいけない)
それに併せて、各モチーフの調性やテンポを合わせて、うまくメインテーマに繋がるようにしなければいけなかったのと、
更にそれが各キャラのテーマモチーフだと明確に分からせる為に、各キャラを象徴する音色テクスチャーをうまく使わなければいけない、という3重苦での制作でした笑

そんな色々な苦労が詰まったエンディング曲ですが、これらのエピソードを踏まえて改めてゲーム内でお楽しみ頂ければと思います。


終わりに

これでオクトパストラベラーの楽曲解説を終了します、長い事お付き合い頂き本当にありがとうございました。

ゲーム音楽はゲームプレイあってのもの、全ては魅力的なゲームプレイの為に作曲家が1曲1曲頭をひねりにひねった末出来たものです。

音楽の力なんかちっぽけだなといつも思いつつ、それでも何かしらの足しになれるよういつも全力投球で頑張っております。

本来こうゆう楽曲解説ってあまり書くのは好きでは無く、なんだか作曲家の言い訳のように感じてしまって、お客さんが受け取ったものが全てだろうと思うタイプなのですが。
今回は「古き良きRPG音楽をアップデート」するというビジョンの元、色々新しい試みも行ったりしたので、その備忘録じゃないですが、つらつらと書いてみようかなとスクウェア・エニックスさんにご提案させて頂いたのがきっかけでした。

この楽曲解説を通じて、そういった1曲1曲に込めた思いや意図を感じながら、また受け取ったものとの答え合わせ等しながら、今後も末永くオクトパストラベラーとその音楽を楽しんで頂ければ幸いです。

本当にありがとうございました。

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