見出し画像

“強欲の魔女”ヘルミニアのテーマ/“英雄”タイタスのテーマ

“強欲の魔女”ヘルミニアのテーマ

"“強欲の魔女”ヘルミニアは、姉妹との確執による壮絶な過去を持つ人物ですが、それ故信じられるものは「富」だけという、敵役ですがなんだか可哀想な人だなぁとも思わされてしまうような、非常に奥行きのあるキャラクターです。

高圧的な態度の端々には、明らかに何かしらのトラウマを感じさせ、奴隷を搾取し、財産を積み上げる事でほんの束の間の幸せを感じる事ができる。
その高貴で哀れな様はこのしっとりとしたアレンジのバージョンが一番感じられるかもしれません。
そこはかとなく悲しみを纏うボーカルは、無印に引き続きYuccaさんにお願いしました。

音楽的には特に難しい事はしてない楽曲ですが、
冒頭のティンパニとピアノのズーンというフレーズは、ヘルミニアの冷酷な、無表情に奴隷達に手を上げる様を表現しています。
このズーンというフレーズが楽曲通して低音を下支えする事で、曲全体に圧迫感や凄みをプラスさせるような作りになっています。

その後のボーカル、彼女のテーマには、高貴さ、気高さの奥に、どんよりと広がる彼女の悲哀を込めています。
ボーカルに絡むストリングスもどこか寂しげな感じです。

この2つの要素を組み合わせる事により、ヘルミニアの持つ複雑なキャラクターを表現しています。


“英雄”タイタスのテーマ

"“英雄”タイタスは、その強すぎる正義感が故に、歩くべき道を間違え、またその歪んだ志を刃として人に向けてしまった、ある意味実直すぎるキャラクターだと思います。

優秀が故に、周囲の人間がゴミのように見え、「廃棄」してしまうのは、見方を変えれば周りの人間に恵まれなかった悲しい境遇なのかもしれません。
彼の志を正しい方向に導き、行き過ぎた正義を止められるものがいれば、また違った将来がそこにはあったのかもしれません。

聖火騎士団を率いる彼の、その「真っ直ぐ」な志を表現する為に、透明感のある、だが冷たい、人間味を全く感じる事のない、そんなコーラスの雰囲気を追及しました。
コーラスの歌唱はKanonさんにお願いしました。
Kanonさんの透明感のある歌声は、雪のように冷たい真っ直ぐな志をもったタイタスを最高に表現してくださったと感じています。

反するように心は己の身勝手な正義に暴力的なまでに燃え滾っている、そんな様をエレキギター、ベース、ドラムなどのバンド楽器に込めました。
特に中間から3連系のリズムをギター・ベースが刻みはじめますが、3連系のこういったリズムは聞き手に威圧感のようなものを感じさせる効果があります。
有名な曲だとダースベイダーのテーマなんかも3連系のリズムを採用していますよね。

ヘルミニアと同様の手法になりますが、このような性質の異なる2つの要素を組み合わせてそのキャラクターの複雑な性格を表現するのは、シンプルながらとても効果的な手法ですので、是非試してみて貰えればと思います👌


まだ未購入の方は以下よりポチッとな頂けると嬉しいです!試聴もありますよー!
https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/octopathtraveler_tairiku_OST/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?