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運命はどこにでも転がっている

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会社員の藤原誠史はある日、電車で見かけた若い男に目が止まった。何故か心惹かれる見知らぬ彼を通勤のたびに見つめる日々を過ごしていたが、大学の学生証を拾ったことで彼=一ノ瀬翔真と話を…
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2022年11月の記事一覧

運命はどこにでも転がっている 第6話

 電車から吐き出されると、空はすっかり紺色に変わっていた。ベルトコンベアに流されるように…

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運命はどこにでも転がっている 第5話

 パソコンを目の前にして、俺は身体を伸ばす。仕事に集中できない。理由はわかっている。昨日…

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運命はどこにでも転がっている 第4話

 食事を終えると俺たちは電車に乗り、翔真の家へ向かった。彼が普段乗って来る駅で降り、二十…

運命はどこにでも転がっている 第3話

 薄暗くはなってきたが、アスファルトにはまだ熱がこもっている。俺はカバンの中から扇子を取…

運命はどこにでも転がっている 第2話

 電車内は冷房でひんやりしている。線路に並走している道路には、雨で濡れた跡がまだ残ってい…

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