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バリ島音楽と芸能の旅2024 -6.尾形直子のバリ舞踊レッスン記

旅で出会ったバリ舞踊第2段は、今回の旅の同行者、尾形直子さんのバリ舞踊初レッスンです。
直子さんは、私が主宰する音楽パフォーマンスグループ「つむぎね」のメンバーであり、ダンサーです。ダンサーでありながら、音楽的能力もとても高く、踊りだけでなく声や鍵盤ハーモニカでのパフォーマンスもシームレスにこなしてしまう強者です!(結果私にあれもこれもと無茶振りされています^^;)

前回の投稿にも書きましたが、今回は彼女がぜひバリ舞踊を習いたいということで、私のつながりから踊りの先生を紹介できればと、一緒に旅することになりました。

まずは前回の投稿で紹介した、Ibu Sekar氏にぜひレッスンしてもらえたら!と思ったのですが、残念ながら今回はタイミングが合わなかったので、お家にお邪魔した際相談し、Sekarさんの親戚のPutu先生が、ニュピ明けから3日間レッスンしてくださることになりました。
Skarさん一家は皆芸能者なので、先生をやってくださる親戚はたくさんいるのです。すごい!

Putu先生はとても快活で凛とした、かっこいい方でした。レッスンの始まりは基本となる構えから。前回の投稿でも書きましたが、これぞバリ舞踊の基本と言われるような、agem(アグム)と呼ばれる左右に肘を張って腰を落とした体勢からスタートでした。

アグム(agem)静止した立ち姿勢。後ろに重心をかけ、腰をひねった状態で静止し、肘を肩と同じ高さまで上げる。踊りの種類によって重心の掛け方や足の開き、手、表情など細かく規範化されている。

Wikipedia "バリ舞踊”より
アグムの姿勢を習う直子

バリ舞踊を習い始める最初の基本の基となるポーズなのでしょうが、初めてアグムにトライしたなおちゃん、早くも先生に開口一番「Sudah Bagus! (すでにいいね!)」と言われて、早速筋の良さを褒められました。

近くで見ていた、大巨匠・ジマットさんも嬉しそうにニコニコしながらレッスンの様子を眺めていました。その姿がなんとも可愛らしい^^
そして、踊りを見ていると自然と指先や足が動いてしまうようで、もうだいぶ足腰が弱られても、体に染み付いたダンサー魂がかいま見え、ジンと来てしまいました。

レッスンを微笑ましそうに見守るジマットさん

初回のレッスンは2時間続きましたが、なおちゃんの飲み込みが早いので、先生のほうがスイッチが入ってしまったようで、結構ぐいぐいと内容も進んで行きました。
なおちゃんは滝のような汗を流しながら(バリはとにかく湿気が多いので、少し動くだけで汗だくになってしまいます)休憩もままならない集中度で2時間踊り切りました。
終わった後、あまりにぐっしょりで、まるで水浴びをしたよう笑!さすがにこのままでは帰れないと、レッスンに付き合ってくれた日本人学生のゆみこさんが、間借りしているSekarさん宅でシャワーと着替えのカイン(腰巻布)を貸してくれました。いやあ、初日から頑張った!

2日目は早速音楽とともに振り付けへ!「Pendet(ペンデット)」という、比較的短めの曲の振り付けを習い始めました。基本の動きの組み合わせでできているようですが、先生がよく通る大きな声で歌いながら、音楽とともに振りを習っていきます。私も側で見ていてすっかりメロディを覚えてしまいました笑。
バリの踊りと音楽は本当に一体のものなので、踊り手は音楽を全て理解していないと振りだけ覚えることはできない、というか振りだけ覚えることは無意味なのだなということを実感させられます。また、先生が口ずさむ音楽が、単に旋律だけではなく、太鼓やゴングなどのパートも全て口三味線で歌うので、本当に全てを音を捉え、それを口三味線で歌えないと、踊りを捉えることもできないのだなと、その繋がりの不可分さを思い知りました。

2日目、だんだん動きが板についてきている

3日目いよいよラストレッスン!私はこの日同じ時間に、前回投稿したDewa Raiさんのガムランレッスンが入っていたため、残念ながら同行できず別行動となりました。
レッスン風景はレポートできませんが、結果最後のレッスンで1曲まるまる振り付けを習って、音楽を流しながら通しで踊り切るところまで行ったそう!素晴らしい👏

先生も3日間、それぞれ1、2時間のレッスンででここまで行けたこと、とても満足されたようで、「ぜひ筋がいいから日本でも続けて、またレッスン受けにおいで」と嬉しそうにおっしゃったようです。

初めてのバリ舞踊、なおちゃん曰く、かなり体に合っているよう。もともと音楽と体の両面得意な彼女にとって、音楽と動きがとても一体に存在しているバリ舞踊は捉えやすいのもしれません。どうやら3日間で手応えを掴んだようで、これはハマりそうな気配!

ぜひ今後も続けて、またバリに学びに行けたらと話しています。そして、彼女の表現がさらに豊かに熟成していくことを楽しみにしています。


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