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押韻論

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日本語の押韻の基礎的な考察や研究
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2023年4月の記事一覧

対照押韻論:新しい英語の「完全韻」

 こんばんは。Sagishiです。  今回は、『英語の完全韻』について書いていきます。 ◆英語ライムタイプの更新 歴史的に、英語のライムタイプは「完全韻」と「不完全韻」の2種別に分けられます。しかし、HIPHOP以後の現代においては「不完全韻」にカテゴライズされている脚韻がスタンダードな位置を占めています。  よって、本記事では「完全韻」と「不完全韻」の定義を更新したうえで、新しく「標準韻」というライムタイプを追加することを提案します。これにより、ライムタイプを現代的で

対照押韻論:イタリア語中心の分析

 こんばんは。Sagishiです。  今回の記事は、次期・日本語の「完全韻」構想を書いていきます。2021年にはじめて「完全韻」の定義について記事を書きましたが、時間を経るにつれ、自分のなかでも色々考えが変わってきました。 1 イタリア語の脚韻1-1 システム  「イタリア語」の押韻スタイルを調査して、面白いことが分かった。  ダンテのテルツァ・リーマは「1行11音節で、三位一体の脚韻手法」だとは聞くが、どういう押韻スタイルなのかは理解していなかった。  イタリア語