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押韻論

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日本語の押韻の基礎的な考察や研究
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2022年3月の記事一覧

日本語の押韻論:雌節韻を知る

 前回の押韻論の記事で、ストレス音節で押韻すれば押韻になる、非ストレス音節は押韻しなくても良いと書きましたが、古典的な西洋詩歌では、この考えは採用されていないことに気づきました。  英詩には「Feminine Rhyme」(雌節韻)というライムタイプがあります。  実例を列挙していきます。  これらの実例から分かることは、非ストレス音節も音の成分を揃えていることが原則だということです。  つまりUSのHIPHOPに見られる、例えば「grease your wave/l

日本語の押韻論:完全韻とは何かを考えてみる

 こんばんは。Sagishiです。  今回の記事は、自分のなかでアップデートされつつある押韻論について、新しい考え方などの概括をざっくりとまとめていこうと思います。自分の考えの整理のためにもやっていきたいと思います。 1 音節主音による押韻について わたしは2020~2021年にかけて音声学の知識を取得したことで、日本語の押韻について、様々な新しい考えを提出できました。  なかでも「軽音節」や「重音節」という定義を音声学から取得し、『重音節韻』や『長短韻』といった日本語