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文学・詩歌

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#翻訳

日本語の詩歌の脚韻はどのようなスタイルにすれば良いのか-翻訳を通して考える-

 こんばんは。Sagishiです。  今回は、詩の邦訳の脚韻について書いていきます。  日本の詩歌の翻訳をみると、なかなか原詩通りにrhymeをしているものが少ないです。しかし、その希少なrhymeを取り入れている翻訳も、どことなくぎこちなさがあるようなものも多いです。  日本の詩歌文学においては、まだrhymeというものが浸透しておらず、技術的にどのように扱えば良いのか、どのようなrhymeをすれば良くなるのか、自然になるのかが、あまり周知されていないと思います。

荒地 Ⅰ.死者の埋葬 / T.S.エリオット [翻訳詩]

 荒地  T.S.エリオット Ⅰ 死者の埋葬  四月は最も残酷な月だ、  死んだ土地からライラックを芽吹かせ、  記憶と欲望を掻きまぜ、  春雨で鈍重な根を震わせる。  冬は暖かくしてくれた、  忘れられた雪で大地は覆われて、  乾いた塊茎からささやかな生命を授かった。  夏は驚きがあった、シュタルンベルク湖を越えてきた  驟雨を浴びて。(私たちは吹き抜けに立ち止まった、  じきに日差しが出て、ホーフガルテンへ行って、  そしてコーヒーを飲んで、一時間ほど話した。)  私は