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文学・詩歌

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2022年9月の記事一覧

詩歌:すりぬけてゆく

三十代半ばで、独身の派遣労働 同僚からも兄弟からも共感されない、俺は泡沫 富めるものがさらに富む街、贈賄と汚職の左遷報道 安酒と土手煮で、あがる口角 林立するビルのあいだ、たよる宛もなく 手にした傘を向ける、顔もしらない英雄に撃つ ブルーカラーがビルにはりついて汗をかく 作業員は、くらい部屋でそのときを練習しつつ 花を抱えてベビーカーを押す女性がいた いつしか忘れてしまった愛おしさ 俺たちはハード的に与えられた機能しか うまく扱えなくなったのか、価値観も立場も固定