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すべての詩には謎がある 謎のない詩には詩はない 遠ざかる景色を部屋 の隅で感じ、コツコツ叩いた窓ガラス 「あなたの感官は、力学に従わない」 自由の葉へと落ちる陽だまり 葉脈を走らせ、空へ枝は伸び、歴史を経た 大輪の花が咲き、生き方に拘らない 新しい道を多くの子が選んだ…けどあなたは自由詩の ことばかり書いて、古臭い詩語や隠喩で遊んでいるね すっかり飽きたわたしは、もっと新しい仕事がしたい 未踏の音の霊峰に足跡をつけて、まるで詩の地球儀を 回してい
茅葺屋根の小屋で囲炉裏 を囲み、若い奴らは手を擦りあわせ 口々に愚痴りだした不幸せ を寒風が吹くなか、老人がひとり 「お前らはなってない。古いものは 大切にせず価値を知らない。 現状に甘え、何も生まない。 偉そうにしてもすべて作り物だ」 しかし、誰ひとりとして若者は 聞こうとはしなかった「くだらね」 吐き捨てて皆出ていった、項垂れ まるで意味をなさなかった泡の言葉 ふと、若い女が老人の前に座した 「お前はいかないのか」老人は嗤う 女は黙ったまま
蛇口から落ちる水に手を浸した 顔を洗い、口を漱ぎ、頭を空にする 「何時からだろう、わたしたちは 身の丈以上を求めた」エゴみたいだ くらべるだけのこころの醜さ「背伸びは嫌」 嘲笑や非難でたがいを遠のけて 正義を振りかざすことが知性なのか、相手を尊重せず 罵倒ばかりが並ぶ社会の手のひらには あなたは掬われていますか? 余計な一言をはき 自己弁護と雄弁なナルシシズム、語り継ぐ その生き方を幼子に誇れるのか?「わたしは嫌」 美しく、しずかな眼で、人の子となり