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「過度に中立的な表情」-2023/12/1

このところ早寝早起きを心がけている。
最近の出来事を列挙します。

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わちゃわちゃしてる飲み会に行った。後方の席にいるみくのしんさんがうるさすぎて自分のテーブルの話が全然聞こえない。多分あなたが想像するよりもずっとうるさい。いま会話が成立しているのか判断がつかないが、初対面の人も混じっている席だったので沈黙をするわけにもいかない。向かいの席の恐山さんを見ると、過度に中立的な表情をしていた。話が聞こえていない人特有の、笑顔でも真顔でもない、中立的過ぎるがゆえに自然さを欠いた表情だった。自分だけではないと少し安心もしたが、安心は状況を打開はしてくれなかった。会話はけっこう一か八かで返事をしてしまった。もし相手が親しい人の死などについて話していたら、かなり間違ったリアクションをしていたはずだ。間違っていたらすいません。

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バスでお爺さんに二の腕をポンポンポンポンと叩かれた。叩かれたというか、なんというか、優しくポンポンポンポンとされたとしか言いようがない。何か言っていたのかもしれないが、AirPodsで外部音を積極的にふさいでいたので分からない。顔は怒っている感じはなかった。むしろ親しみすらあるように見えた。どういう意図だったのか、それは一生分からない。一生答えが分からない出来事が日常的に起こるのは、よく考えると恐ろしい。

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通勤途中で同僚とばったり遭遇してしまうのを不安に思う。同僚とは同僚というコスチュームをまとった状態で会いたい。それは猫を被るとかじゃなくて、そうあるのが自然だと思うから。両親に対して子供として接するのが自然であるように。僕はその役割に切り替えるまで少し時間がかかる気がする。切り替えるとまで言うと大袈裟な気もするが、ささやかで微妙だけど適切な切り替えだ。突然に会うと対応できない。相手にも申し訳ない。これは出来事ではないな。

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菊地成孔みたいな人がいて、あまり行儀のいいことではないとは分かりつつ、横目でそっと再度確認する。しかし判断がつかなかった。菊地成孔みたいな人はそれなりに多い。

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寒くなってきて嬉しい。寒さ自体はもちろん辛いことだが、防寒という行為が好きだ。暑さを防ぐ方法は限られている。クーラーか、扇風機か、暑くないところへ逃げるか、実用的な方法はそれぐらいしかない。あとは風鈴をチリンチリンと鳴らすとか、そういった気休めと呼ぶのもおこがましい観念の領域に突入する。寒さへの対処は様々なアプローチがあり、しかもどれもがある程度は有効である。例えそれが布一枚であっても。それぞれの環境に適した方法があり、そこには工夫の余地がある。やり方次第ではそんなに金もかからない。それが嬉しい。おすすめはネックウォーマー。

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悪夢から目が覚めると肩がチョコレートにまみれていた。寝床の横に置いていたチョコレートを寝返りで踏み潰し、それが体温でじわじわ溶け出したようだ。ファンシーな朝!と思った。



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